2019年度 活動レポート 第252号:ひろしま国際センター

2019年度活動レポート(一般公募コース)第252号

優秀な重慶市の高校生がヒロシマで日本の科学技術と文化に触れる

ひろしま国際センターからの報告

公益財団法人ひろしま国際センターは、「さくらサイエンスプログラム」として、2019年10月15日~21日の日程で、中国重慶市から科学技術分野に関心を持つ10名(高校生9名及び引率教員1名)を招へいしました。
招へいした高校生は、重慶市の重点校5校(重慶市育才中学校、重慶市巴蜀中学校、重慶市南開中学、重慶市第八中学校、西南大学附属中学校)から選抜された日本の科学技術分野に高い関心を持つ成績優秀者で、主に日本の農業技術や海洋科学を支える研究機関や教育現場(高校・大学)の視察や学生交流を行いました。

10月16日

◆オリエンテーション、開講式

ひろしま国際プラザの研修室で、オリエンテーションを行った後、開講式を行いました。

◆広島大学デジタルものづくり教育研究センター

産学連携の「デジタルイノベーション」の開発技術を学びました。高校生たちにとってデジタルの先端技術はとても興味深いものだったようです。

デジタルものづくり教育研究センターにて

◆国立大学法人広島大学

広島大学に留学している工学研究科の学生2名にキャンパスを案内してもらい、広島大学での留学生活について話をしてもらいました。高校生たちはキャンパスの広さと美しさに感心しており、日本での留学生活についていろいろと質問していました。

◆広島大学宇宙科学センター附属東広島天文台

宇宙科学センターを訪問し、様々な謎に満ちた広大な宇宙についての講義を受けた後、国内に設置されている望遠鏡としては4番目の大きさを誇る1.5m光学赤外線望遠鏡「かなた」で観望を行いました。当日は天候にも恵まれ、木星や土星、ダブルスターを観望することができ、高校生たちはとても興奮していました。

木星や土星がきれいに観望できました

10月17日

◆広島県立総合技術研究所農業技術センター

同センターの果樹研究部を訪問し、カンキツやブドウの生産に関する先端技術や研究についての講義を受け、カンキツ試験圃場を見学しました。都会から来た高校生たちなので、山の中の試験圃場がとても新鮮だったようで、虫や鳥の鳴き声にさえも感動していました。

◆八天堂

八天堂を訪問し、同社のパン作りの特長や衛生管理などの取り組みについて説明を受け、工場を見学しました。そこでいただいたパンがとてもおいしいとみな喜んでいました。

八天堂パン工場の見学

◆日本文化体験(浴衣の着付け)

ひろしま国際プラザの研修室で浴衣の着付けを体験しました。

10月18日

◆ホームビジット

東広島市地域の伝統的な造りの農家家屋を訪問し、和風の庭にみなとても興味をもっていました。美しい庭で剣玉や竹とんぼをお家の人に教えてもらいとても楽しいひと時を過ごしていました。

◆広島県立西条農業高校

スーパーサイエンススクールに指定されている広島県立西条農業高校を訪問しました。環境や気候変動におけるSDGsのグループワークを通して、日本と中国の生徒同士の交流を深めました。お互い母国語ではない英語でのコミュニケーションなので、時々翻訳アプリを使って意見交換している生徒もいました。

西条農業高校の生徒とSDGsのグループワーク

10月19日

◆広島大学大学院統合生命科学研究科 附属瀬戸内圏フィールド科学教育センター

広島大学竹原ステーションを訪問し、瀬戸内海に生息する生き物についての講義を受けた後、船に乗って海洋実習を行いました。海のない地域から来た高校生たちなので、みなとても興奮していました。その後、室内に戻って、カニの解剖実験を行いました。

甲殻類の解剖実験

◆広島平和記念公園

平和記念資料館を見学した後、英語ボランティアの方の案内で、原爆の子の像、原爆ドーム、爆心地を見学し、戦争の悲惨さと平和の尊さを学びました。

10月20日

◆宮島

日本三景の一つで世界遺産でもある宮島を訪問し、厳島神社を拝観しました。午後は、宮島水族館を訪問し、バックヤードツアーを体験しました。

本プログラムに参加した重慶市の高校生および引率の先生は、日本に対する理解を深め、広島と関係の深い四川省・重慶市とのさらなる友好関係の促進ができたのではないかと思っております。今回のプログラムにご協力いただいた各機関をはじめ、受け入れにご支援をいただいた「さくらサイエンスプログラム」に感謝申し上げます。