2019年度活動レポート(一般公募コース)第251号
アジアの大学生・若手研究者がグリーンアジア実現のための最先端理工学を体験
九州大学大学院総合理工学研究院
萩島 理さんからの報告
台湾の国立中山大学、韓国の延世大学、インドネシアのセベラスマレット大学、アンダラス大学、マレーシアのマラ工科大学、ベトナムのハノイ工科大学、ベトナム国家大学ホーチミン市校という、5カ国7大学から16名の研究者・学生を2019年10月20~28日の間、九州大学大学院総合理工学府にお招きしました。
来校初日にまず全参加者に対しオリエンテーションを実施し、九大総理工学府の紹介を行うとともに、参加者全員の自己紹介や大学紹介を行いました。その後は、参加者は専門分野に応じて6グループに分かれ、本学府で専門分野を同じくする6人の教員がホスト役となり研究交流を行いました。
例えば、韓国の延世大学から参加したLee教授と大学院生1人は本学府の張教授の研究室を訪問し、熱電材料や酸化物などの多様な機能性無機材料の焼結挙動制御に関する議論を行いました。また、本学府と延世大学校新素材工学科の間でのJoint Degreeなどの共同教育プログラムの新設に向けた意見交換を行いました。
台湾の中山大学から参加したYung教授は光集積回路及びその製造プロセスを専門としています。滞在中はホスト役の本学府濱本教授だけではなく、デバイス関連の複数の研究室にてセミナーや質疑討論を行い、今後の共同研究実施に向けた大きな足がかりを得ることができました。
インドネシアのセベラスマレット大学の2人は本学府の宮脇准教授の研究室を訪問し、実験機器の見学を行った上で、インドネシアで実施中の研究の分析方法について自由な意見交換を行いました。今後は共同研究を見据えてより深い研究交流を続けていく予定です。
マレーシアのマラ工科大学からの来訪者3名は、本学府の東藤准教授及びオサマ准教授の研究室を訪問しセミナーに参加し、相互に研究内容の紹介を行いました。
熱電材料を専門とする本学大瀧教授がホスト役を務めたベトナム及びインドネシアからの参加者は、来日時に様々な試料を持参しており、日頃は研究設備の不足から分析できない様々な実験を大瀧研究室にて体験しました。
滞在期間の後半は、九大筑紫キャンパスのツアーにより大規模な実験装置(QUEST, クリーンルーム、電子顕微鏡)を見学しました。また、本学府が毎年主催している国際会議 IEICES2019にも参加しました。
最後に、Closingセミナーを開催し、滞在期間中の各自の研究内容や体験についてのプレゼンテーションを行いました。
この招へい事業を通じて参加者に対し、日本の大学の先端的な研究環境を大いにアピールできたのではないでしょうか。また、ホスト役を務めた本学府教員にとっても、セミナーや演習の実施を通じて、研究室の日本人学生・留学生に対し貴重な国際交流の経験を提供できました。この事業をきっかけに、継続して学生交換や共同研究の実施など、交流を深化していきたいと思います。