2019年度 活動レポート 第227号:九州工業大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第227号

バングラデシュの学生が、諸問題を解決するためのデザイン思考を学ぶ

九州工業大学からの報告

九州工業大学大学院情報工学研究院では、バングラデシュで1番に大きい国立大学であるダッカ大学と2番目に大きい国立大学であるラジシャヒ大学から合計で9名の学生、そして引率教員2名の招へいを行ない、1週間のプログラムを行いました。

福岡空港にて受入時の集合写真

本プログラムの目的は、デザイン思考を用いてバングラデシュの諸問題を解決することです。デザイン思考は人を中心に考え実際の問題を深く知ることにより実現可能な解を得る手法です。バングラデシュの諸問題、たとえば小学校、病院、医療などに関わる問題を解くときに、日本で行なわれていることをそのまま持ち込んでもほとんど役に立ちません。そこでデザイン思考を用いて、人を中心に考えて実現可能な解を得ます。

事前にSkypeを使って、バングラデシュの学生を3グループに、日本の学生を3グループに分けておいて、それぞれを引き合わせて会議を行いました。現在はインターネット環境がよく、特にバングラデシュは国を挙げてデジタル化を推し進めているので、ネットの費用が低くまた高品質です。事前に会議を行なうことで来日した際にスムーズに活動に入ることができました。

来日してから、デザイン思考の講義を受けて、活発な質問のやりとりを行いました。バングラデシュでもデザイン思考については理解しているようでしたが、本学の大学院でデザイン思考のコースを整備していることもあり、深い理解と経験からの講義はとても役に立ちました。

倉田博之教授によるデザイン思考の講義および質問のやりとり

日本の文化や技術、教育などを体験、知ってもらうために様々な見学を、限られた時間ではありましたが行いました。立岩小学校では1年から6年生までそれぞれに違う科目や行事に一緒に参加しました。声を出して学習する様子などとても印象深かったようです。飯塚病院では、保険制度について講演を聴いた後、医工連携や工学が医療機器にどのように関わっているかを知るために、医療機器の管理区域に寄り説明を受けました。

小学校4年生と習字の練習
飯塚病院での医療機器の管理区域での説明

最終日の最終プレゼンテーションでは、これまでに無いレベルの高い発表がありました。実際にアプリケーションを作ったり、ハードを作ったりしてそれを実際に試して、フィードバックしていました。これらはこれまで3年のさくらサイエンスプログラムの成果と考えています。

ポスタープレゼンテーションの例。実際にアプリを作り動かしています。

今後もアジアの発展に尽くしていきたいと思います。