2019年度 活動レポート 第224号:東京理科大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第224号

機械工学とメカトロニクスの先端に触れるインターンシッププログラム

東京理科大学理工学部機械工学科
教授 川口 靖夫さんからの報告

中国・西安交通大学の学部生10名・教員1名を迎えて、6日間(9月9日~9月14日)のプログラムを実施しました。あいにく台風の直撃のため来日が1日遅れましたが、滞在中様々な体験ができました。

外国人がもつ日本の印象は、高度・精緻に作られた日本製工業製品により形作られることが多く、もの作りを支える日本の機械工学には強い関心が寄せられています。いっぽう機械工学も歯車・旋盤といった在来のイメージから脱却し、多方面で高度化しており、そうした先端に触れる機会は、外国の若い学部生にとって貴重な体験となります。受け入れに当たる日本人学生・院生と協働することによって、両国の若者に国際人としての視野を育てることも目的のひとつです。

来日した西安交通大学の学生達10名、理科大理工学部にて

今回は西安交通大学の理工系学部から選り抜かれた学生達10名と教員1名を迎え、3日間のインターンシップを含む実質4日間のプログラムを行いました。学生達の専門分野に応じて、理工学部機械工学科の4つの研究室に2-3名ずつを配属して「テーラークエット流れの可視化観察」、「物体と流体運動のコンピュータシミュレーション」、「マッスルスーツ着用時における効率的な持ち上げ動作の評価」、「3次元距離画像センサを用いた没入体験コンテンツの作成」といった機械工学の先端分野の課題に取り組んでもらいました。実験室では指導教員から丁寧な課題説明を受け、院生との共同作業をし、充実した日々を過ごしました。東京理科大学での教育・研究環境を体験し、また日本人の学生・院生と触れあえる機会になりました。

テーラークエット流れの可視化観察
マッスルスーツ プログラミング

来日した学生達はその他にも日本文化体験(邦楽)などの活動に取り組みました。帰国前日には報告会を行い、日本側の教員や学生達多数を前にインターンシップで得られた経験について発表し、暖かい励ましを受けていました。

日本文化(邦楽)を体験しました

学生(Q.B.さん)の報告書から一部を取り上げて紹介します。

「今回経験してみて、学部生のときに1週間程度のインターンシップの機会があればとても助かると思いました。研究室で基本的な学習を行い観察することは、講義に耳を傾けるよりも有意義です。TUSは学部生の卒業研究を制度化していると言われました。これは教授の負担をある程度増加させますが、私には、長所が短所を上回っていると思われます。日本の大学は閉鎖的な教育場所ではなく、プラットフォームのようなものであることがわかりました。1年生は色々な外国語を学び、サークル活動を楽しむこともできます。

日本の職人気質とおもてなしの精神について旅行前に聞いていました。実際に街で道順を尋ねたり、研究室で体験してみると、日本人が細部にまで心配りして仕事に集中する程度は、私の想像をはるかに超えていました。私たちは細部にまで注意を払うためにあらゆる方法を試すべきだと思います。」

実施責任者からSSP修了証を受け取りました

今回の学生受入により日本側の学生にもよい刺激があり、両国の学生同士にも深い友情が育まれました。ご支援に感謝いたします。