2019年度活動レポート(一般公募コース)第223号
日中で築く最先端木質科学研究の架け橋
名古屋大学からの報告
2019年9月8日から9月14日にかけて、中華人民共和国・西南林業大学の大学院生10名が同大学の周晓剑先生の引率によって、名古屋大学大学院生命農学研究科を訪問し1週間の科学技術体験プログラムを行いました。最新の木質材料製造工場ラインや木造建築の見学、さらには木材物理学、木材工化学を専門とする研究者の講義を通じて、日本の最先端木質科学工業の実態を学び、さらに「木材非破壊品質評価」に関する基礎実験を通じて、技術開発に関する知見を深め、日中両国の木質科学分野での交流を深めました。
9月8日
中部セントレア空港に到着し、名古屋市内のホテルに移動しました。
9月9日
名古屋大学に移動し、スケジュール説明・歓迎会および研究室見学を行いました。その後、土川覚 生命農学研究科長、谷光隆 副研究科長、山内章 副研究科長、小鹿一 副研究科長、牧正敏 国際交流推進室長を表敬訪問しました。
9月10日
大建工業(株)三重工場を見学し、日本における木質材料の製造工程や品質管理について学びました。中国にも木質材料製造工場がありますが、その違い等についても体感できたとの感想がありました。午後は、伊勢神宮を見学しました。我が国固有の木造建築様式や文化について多くのことを学ぶことができました。
9月11日
稲垣哲也生命農学研究科講師による導入講義を受け、分光法による生物素材の品質評価の研究例およびその解析方法について学びました。また、NIRハイパースペクトラルイメージングによる木材試料の測定および行列演算ソフトウェアMatlabを用いて含水率予測の回帰線作成を行いました。
9月12日
山本浩之生命農学研究科教授から、日本における木材工業の最先端トピックや研究事例についての紹介があり、その後木材物理学研究室を訪問し、最先端の研究設備等について学びました。また松下泰幸生命農学研究科准教授から、木材の化学的利用についての講義があり、その後森林化学研究室を訪問して、木質化学の実験手法や解析方法についての知見を深めることができました。参加者からは、多くの質問が寄せられました。午後からは、日本の木造建築についての知見を深めるために、名古屋城を見学しました。名古屋城内に新しく建造された本丸御殿に強い感動を覚えていた様子でした。
9月13日
今回の科学技術交流活動プログラムの感想や学んだことなどについて参加学生が発表し、最後に稲垣哲也講師が修了書を授与しました。
9月14日
一行は中華人民共和国に向けて帰国しました。