2019年度活動レポート(一般公募コース)第215号
「再生可能エネルギーの創出技術を修得する体験プログラム」を終えて
大阪工業大学工学部応用化学科からの報告
2019年10月21日 (月)から27日(日)までの7日間、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて、インドネシア・スラバヤのウィドヤ・マンダラ・カトリック大学(WMCU)から8名の学部生を大阪工業大学工学部応用化学科(OIT)に招へいし、OITの学生諸君とともに「再生可能エネルギーの創出技術を修得する体験プログラム」に取り組みました。
まず初めに、関西空港から大学所有の寮(国際会館)に移動し、入寮しました。バストイレ、キッチン、デスク、ベッドまで備え付けられているシングルルームでしたので、インドネシア学生諸君はホテルのようだと大喜びでした。次に、OIT大宮キャンパスに移動して、プログラムを開始しました。オリエンテーションでは、開会式、スケジュールの確認、自己紹介、グループ分け、大学・研究室・大阪の見どころの紹介などが行われた後、これから始まるプログラム概要の説明をしました。キャンパスツアーでは、淀川や大阪市内を一望できる展望施設に驚きの連続でした。夕方には、歓迎会を催しました。初めての手巻き寿司を食べ、日本や関西、大阪に関するクイズをして盛り上がりました。
実習その1では、「種々の太陽電池の作製」を体験する課題に取り組みました。実際の課題実験として、有機色素型の太陽電池の作製体験を行いました。実際に電池特性を測るために光を照射してオルゴールから音楽が聞こえたことで、電気が流れたことを確認出来て、感動の連続でした。
実験の合間には、OITの学生がランチとしてたこ焼きと焼きそばをふるまいました。WMCUの学生も見よう見まねで調理方法について学びました。
実習その2では、有機色素分子の化学反応による色の変化について実験しました。簡単な酸化還元反応を用いて様々な色に変化することを観察し、分子構造との関連について考察しました。
大阪滞在最終日は、実習の成果ならびに大阪で体験したこと、およびインドネシアとWMCUについて、英語で発表しました。学生さんは少々緊張した様子でしたが、英語でのプレゼンテーションを行っていました。その後、インドネシアの学生さんからは、美味な日本食や日本文化が体験できたことを喜ぶコメント、そして何より、「また日本に戻ってきて、大学院などで勉強したり日本の会社に就職したい」など、喜ばしい意見も寄せられました。日本人学生諸君は、英語によるコミュニケーション能力を更に身に付ける必要があると感じたらしく、今回のプログラムで身をもって体得できたことは、交流プログラムをOITで受け入れて開催した甲斐があったのではないかと思います。
翌日からの2日間は、徳島へ移動して藍染め文化体験と阿波和紙製作を行いました。本プログラムで一貫して考えてきた色素・染料について日本の文化から体験することを目的に、日本人学生諸君とインドネシア学生諸君が一緒になって取り組みました。阿波和紙作製では、実際に紙漉きを行い、そこに色素で色付けも行いました。最後に閉会式と表彰式を行い、インドネシア学生諸君に修了証を授与しました。
最後になりますが、本体験プログラムを遂行するにあたり、多大なるご支援を賜りました「さくらサイエンスプログラム」に心より感謝申し上げます。この貴重な経験を糧にして、双方の学生さんがグローバル社会で活躍できる素養を、さらに身に着けていくことを期待します。