2019年度 活動レポート 第209号:宮崎大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第209号

インドネシア・ブラウィジャヤ大学と実施したさくらサイエンスプログラム
-持続可能な流域環境の利用と管理技術について-

宮崎大学工学部
教授 村上 啓介さんからの報告

2019年9月15日から9月24日までの10日間、インドネシア国ブラウィジャヤ大学農業工学部の学生10名(大学院生5名、学部生5名)と教員1名を、さくらサイエンスプログラムで受入れました。本プログラムは、持続可能な流域環境の利用と管理技術をテーマに、自然災害に関わる水理現象に関連した内容を、講義、実験、数値解析、および現場見学から学ぶことを目的としました。多雨気候のインドネシアでは、自然環境、利用、防災が調和した適正な流域管理は重要な課題となっており、本研修は参加した学生にとって有意義なものとなりました。

1日目

11名の招へい者は、9月15日に羽田空港に到着し、その日は東京都江東区の日本科学未来館を訪問しました。

2日目

午前中は、東京臨海広域防災公園の防災体験学習(そなエリア東京)を訪問し、先進的な都市防災について学びました。その後、東京から宮崎に移動しました。

3日目

午前中は、プログラムオリエンテーションと工学部長表敬訪問を行い、その後は、工学部内の研究施設の見学を行いました。その日の夕方には、インドネシアからの留学生を交えた歓迎会に参加しました。

工学部内の研究施設の見学

4日目

日本の降雨特性や治水の歴史、技術、様々なハード対策やソフト対策に関する講義を受けました。

5日目

午前中は、洪水流に関する数値計算の基礎を学び、午後は、実際に数値計算を行って洪水流の伝播特性について学びました。数値計算では、基礎方程式のモデル化の違いによって計算結果がどの程度変わってくるのかを体験的に学びました。

数値計算に取組む様子

6日目

宮崎県木城町の大瀬内ダムと石河内ダムを見学しました。九州電力(株)の担当者から、ダムの施工技術や維持管理技術、洪水時のダムの操作や管理について説明を受けました。また、発電施設の中核となる地下発電所も見学しました。地下深くに設置された巨大なタービン施設を見学することができ、招へい者にとっては有意義な体験となりました。

7日目

開水路を用いた洪水流の水理実験を行いました。水路の勾配と流量の組合せを幾通りか変え、水深や流速を計測しました。

実験に取組む様子

8日目

昨年の大雨で内水氾濫が発生した瓜田地区を訪れ、瓜田ダムや排水機施設の見学を行いました。

9日目

研修の総括として、本プログラムで得られた知見や体験を踏まえ、インドネシアにおける治水対策施設の現状や問題点を取りまとめ、パワーポイントを使って発表しました。その後、宮崎大学国際連携センター長を交えて修了式を行いました。

学生によるプレゼンテーション

宮崎大学は、ブラウィジャヤ大学と大学間協定を締結しており、本プログラム研修を通じて、ブラウィジャヤ大学との交流が更に強化なものになりました。また、参加した全ての学生から、今回の来日は非常に有意義であったとの感想を得ることができました。このような機会を与えて頂いた「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。

プログラム修了式の集合写真