2019年度活動レポート(一般公募コース)第205号
水俣の教訓と地域の現状及び課題を理解し、地域社会の持続可能性を考える
熊本県水俣市からの報告
水俣市では、2019年10月24日から10月29日までの6日間、シンガポール共和国(シンガポール社会科学大学)、台湾(国立台北科技大学)、タイ王国(カセサート大学)、ベトナム社会主義共和国(ベトナム国家大学ハノイ校日越大学、ベトナム科学技術アカデミー)、中華人民共和国(清華大学)から14人の大学院生及び大学教授等を招へいし、水俣病の実情と教訓を正しく理解するとともに、環境問題や地域の再生・活性化への取組、水銀分析技術を学ぶフィールドワークを行いました。
更にこのフィールドワークでは、環境関連企業の取組やGDP(国内総生産)に代わる新たな経済的指標である「新国富」について学ぶ機会、市民との交流の機会を提供しました。
研修1日目:10月24日(木)
福岡空港到着後、福岡市のいであ株式会社九州支店を訪問し、水銀測定・分析施設の見学を行いました。その後、水俣市に移動し、水俣環境アカデミアでオリエンテーションを行いました。
研修2日目:10月25日(金)
JNC株式会社水俣製造所を見学、その後、水俣市立水俣病資料館を見学しました。午後からは国立水俣病総合研究センターを訪問し、同センターの取組や毛髪水銀濃度の測定及び水銀分析技術について学びました。その後、水俣環境クリーンセンターを訪問、ごみの分別・処理について見学しました。
研修3日目:10月26日(土)
水俣環境アカデミアにおいて、SEAHORSEの森下代表による「水俣湾の再生に関する講義」、熊本県立環境センターの篠原館長による「水俣湾公害防止事業に関する講義」を行いました。午後からはホストファミリーや水俣高校生などの市民が参加し、ランチミーティングを行いました。ランチミーティングでは、水俣高校剣道部及び新体操部によるアトラクションも行われ、日本の文化に触れることができました。ランチミーティング終了後、研修生たちは各家庭にホームステイし、日本の生活文化に触れました。
研修4日目:10月27日(日)
ホームステイを終えた午後から、水俣浮浪雲工房において、紙漉き体験と草木染め体験を行いました。
研修5日目:10月28日(月)
株式会社田中商店を訪問し、ガラス瓶のリユース、リサイクル工場を見学しました。その後、2班に分かれ、水俣市立第二小学校、水俣市立水東小学校を訪問、小学生と異文化交流を行い、学校給食を体験しました。午後からは、株式会社アール・ビー・エス(浄化槽汚泥及びし尿リサイクルシステム)、アクトビーリサイクリング株式会社(家電リサイクル工場)を見学、その後、翌日の研修のため福岡へ移動しました。
研修6日目:10月29日(火)
九州大学において、キーリー・アレキサンダー・竜太准教授による「新国富」による地域持続可能性についての講義が行われました。
閉講式では、各研修生に対し、アカデミアの古賀所長を通じて修了証が授与され、翌日、無事帰国の途につきました。