2019年度活動レポート(一般公募コース)第204号
超伝導とナノテクノロジーを利用した最先端技術を学習
大阪府立大学研究推進機構
放射線研究センターからの報告
さくらサイエンスプログラムにより、ラオス国立大学より学部生8名および教員2名を招へいし、2019年9月30日より10月5日までの6日間、科学技術研修の交流事業を実施し、講義、実習、見学等の活動を行ないました。
1日目
午前に関西国際空港に到着後、まず空港に程近い本学りんくうキャンパスにて山手丈至副学長を表敬訪問しました。引き続き、同キャンパスにある獣医学専攻の施設を見学しました。午後から本学なかもずキャンパスに移動し、プログラムの全体説明の後、本学教員、学生との交流会を行ないました。交流会では書道も体験してもらいました。
2日目
午前に講義を受講し、低温研究の歴史、超伝導の基礎とその応用について学びました。午後は始めに国際交流センターを訪問し、石井実学長顧問を表敬しました。その後に超伝導試料作製に関する実験実習を行いました。試薬原料を混合・整形して電気炉にセットし熱処理を開始しました。
3日目
午前に講義を受講し、放射線と放射能に関する基本事項を学びました。午後には全国の大学でも有数のガンマ線照射施設を見学し、水中コバルト60線源によるチェレンコフ光を観察しました。その後、霧箱を用いて実際に放射線の軌跡を観察する実習を行ないました。
4日目
午前に大阪大学吹田キャンパスに移動し、レーザー科学研究所を見学しました。世界でも有数のレーザー核融合設備、およびテラヘルツ波に関する最先端の研究について説明していただきました。午後には大阪市内に移動し、大阪歴史博物館を見学しました。
5日目
午前に実験実習を行ないました。2日目に準備した超伝導体試料を液体窒素で冷却し超伝導材料が作製できたことを確認しました。午後にはまず講義を受講し、ナノテクノロジーの基礎について学びました。続いて実際にクリーンルームに入室し、電子線描画装置等の微細加工に関する最先端の装置を見学しました。また午前の実習で作製を確認した超伝導体試料について、走査型電子顕微鏡による表面観察を行ないました。
その後、修了式を行ない、各自本プログラムで修得したことを報告しました。
6日目
午前に関西空港に移動し帰国の途につきました。
本プログラムにより、超伝導とナノテクノロジーを融合することにより新しい技術が生み出されることを学習するとともに、全国の大学でも有数の清浄度を有するクリーンルーム施設を体験し、未来を開く新たな技術の可能性にふれてもらうことができました。また本学スタッフおよび学生によるサポートも含め、日本に好印象をもって帰国してもらうことができました。
ご協力いただいた、村上博成准教授はじめ大阪大学レーザー科学研究所の皆様に感謝いたします。