2019年度活動レポート(一般公募コース)第200号
臨床と基礎を循環する橋渡し研究に立脚した先進医療の研修
熊本大学大学院生命科学研究部
入江 徹美さんからの報告
2019年10月6日(日)から10月12日(土)の7日間、中国薬科大学の学部生(2名)、大学院生(5名)、薬剤師(2名)、教員(1名)を招へいしました。本プログラムでは、高度な薬学的専門知識・臨床的センスを兼ね備え、臨床薬学研究を推進するPharmacist/Scientistsの養成を企図して、将来、中国の薬学教育・研究を牽引する優秀な人材が、熊本大学を拠点とする先端医療に触れる機会を提供しました。
10月7日(月)
甲斐教授(熊本大学薬学部・大学院薬学教育部長)との面談、各施設見学を行いました。午後は、学生主導活動(子宮頸がん啓発グループ、Kumamoto Medical Students)、海外インターシップで中国薬科大学を訪問した際の学生交流、文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」、大学発ベンチャー「株式会社くまもとファーマ」の紹介があり、情報交換・討論が行われました。
10月8日(火)
基礎・臨床の橋渡し研究を行っている薬剤情報分析学分野訪問や薬草園・薬草ミュージアムを見学しました。午後は、熊本大学薬学部と連携している熊本赤十字病院を訪問しました。陣上薬剤部長から薬剤師業務や臨床現場で使用されている高性能の設備・機器類の説明を受けました。その後、隣接する薬局(セントラルファーマーシー長嶺)にて、稲葉博士(薬剤師・代表取締役)から地域医療における薬剤師の役割に関して説明を受けました。
10月9日(水)
個別化医療を標榜した薬剤疫学研究を行っている薬物治療学分野を訪問した後に、午後からは、熊本大学薬学部の連携施設である一般社団法人メディポリス医学研究所メディポリス国際陽子線治療センター(鹿児島県指宿市)を訪問し、治療室および回転ガントリーなどを見学しました。湯之前博士(薬剤科)には、陽子線治療の原理や他の治療法との比較、同センターにおける薬剤師の役割、がん治療に伴う有害事象軽減の取組などを紹介していただきました。
10月10日(木)
地域医療の拠点である熊本大学病院を見学し、城野准教授(病院薬剤部、臨床薬物動態学分野)から説明を受けました。午後からは、平田教授(臨床薬理学分野)から模擬薬局を紹介していただきました。その後、本学学生とともに、研修生は水前寺公園や熊本地震からの復興途中の熊本城を観光し、熊本の豊かな自然や歴史に触れる機会を得ました。
10月11日(金)
最終日は、研修生による成果発表・総合討論が行われ、本プログラムにご協力いただきました方々が多く集まり、将来の学生交流に向けた活発な意見交換が行われました。
本プログラムの実施にあたり、ご協力いただきました熊本大学教職員、熊本地域の医療関係者の方々に心から感謝します。最後に、さくらサイエンスプログラムからのご支援に深謝いたします。