2019年度活動レポート(一般公募コース)第184号
インドネシアの学生が地球環境の分析と生体応答の評価を学ぶ
関西学院大学からの報告
2019年10月23日から10月29日の7日間、「さくらサイエンスプログラム」により、インドネシアのパジャジャラン大学とウダヤナ大学から、学生15名、引率者2名の総勢17名を招へいし、関西学院大学理工学部(KG-S&T)の教育研究環境とKG-S&T教員が関わる研究施設の見学・体験学習が行われました。
10月23日
来日初日は、開会式(学部長 北原和明)にて本学のミッション、モットー、教育理念を踏まえ、多様な人材を広く受け入れる教育研究環境を紹介しプログラムの内容や意義、注意事項を伝えました。実りある滞在とするよう説明、および理工学部国際交流推進委員会の藤委員長の激励の後、プログラム説明、オリエンテーション、キックオフ会議が開催され、2日目からの本格的なプログラムに備えました。
10月24日
壷井教授による特別講義「水質と環境問題」より水質と環境問題について環境科学的な観点から最先端の知見(トピック)を交えて解説する講義を実施しました。講義後はフィールドワーク実習として「水質のフィールド調査」を実施しました。有馬温泉周辺で、湧水と河川水を採取し、現場における水質調査方法を学習しました。
10月25日
前日に引き続き壷井教授による特別講義「水質と環境分析法」を実施しました。イオンクロマトグラフ分析法(IC)と誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)の原理と応用(実際)について詳しく学習しました。引き続き午後にはイオンクロマトグラフ分析装置・誘導結合プラズマ発光分光分析装置等を用いて、前日に採取した水を分析・評価する実験を行いました。この2日間で各地から採取した試料を分析するという一連の流れを経験しました。
10月26日
午前中に、特別演習「タンパク質バイオインフォマティクスへの招待」(生命医化学科教授 藤博幸)を実施しました。インドネシアにおいて重要な産業的位置を占める天然ゴムの合成酵素を題材として、BLASTによる相同配列の収集、収取された配列のmafftによるマルチプルアラインメントの作成と不変残基の同定に基づく機能部位の予測、SWISS-PROTによる構造モデルの作成、MOLMILによる構造モデルへの不変残基のマッピングを行い、タンパク質の情報解析の一連の流れを経験しました。2名で1台のPCを利用してもらい、演習形式で実習を行いました。特にMOLMILによる分子グラフィクスに興味を持った学生が多くいました。
午後には特別講義・演習「心拍変動を用いた自律神経活動バランス評価」(生命医化学科准教授 吉野公三)ストレス環境に対する自律神経活動評価のための心拍数計測実験とパソコンを用いた生体信号データの数理解析に関する手法を学習しました。
10月27日
4日目の日曜日を利用して、日本文化体験プログラムとして、本学教員2名と学生2名と共に、公共交通機関を利用した関西地区の移動経験、および京都天龍寺、神戸生田神社の参拝などを実施し、日本の文化や自然に触れる機会を設けました。
10月28日
Meet the Experts(国際交流)、留学相談(理工学部留学生、教職員)日本、および本学への留学について具体的イメージをもってもらえるよう、本学留学生を交えて座談会、プログラム説明を行いました。
午後は、本プログラムの集大成として、今回のプログラムで学んだことを3チームにわかれて報告会 "What We Learned at KG KSC"を実施しました。3チームがそれぞれ個性的な発表をしました。
修了式では、参加者全員に北原学部長より修了証書が授与されました。また、この出会いが国際交流の始まりであることを共有しました。送別会では参加者が出身地域の伝統舞踊などを披露し、文化交流も育まれました。
10月29日
参加者全員が元気よく無事に帰国しました。近い将来、今回の訪問メンバーの中から関西学院大学へ留学する学生さんが現れる事を期待します。
最後になりましたが、本プラン実施に際して、多くに皆様にお力添えを頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。有難うございました。