2019年度活動レポート(一般公募コース)第183号
インドネシアの大学生が持続可能な廃棄物処理システムの未来デザインを学ぶ
総合地球環境学研究所からの報告
大学共同利用法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所(以下、地球研)では、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インドネシア・ハサヌディン大学の大学生10名及び教員1名を招へいし、令和元年9月12日から9月18日までの7日間の交流プログラムを実施しました。
ハサヌディン大学の創立は1947年に遡ります。同大学は、南スラウェシ州のマカッサル市に立地し、東部インドネシア全体の中でも有数の規模と研究教育実績を保持する基幹大学として位置付けられています。今年度は、公衆衛生学部から学生らが本プログラムに参加しました。本プログラムでは、持続可能な廃棄物処理システムの未来デザインを学び、また、本研究所が有する持続可能な社会構築のための知識・視点を考えるプログラムを実施しました。
9月12日
深夜便にてクアラルンプールから関西国際空港へ早朝に到着、その足で地球研に到着した一行は、実施担当者・榊原正幸教授より、実施内容の説明、受入れプロジェクトの紹介、滞在期間中の予定や注意事項などについて、オリエンテーションを受けました。
9月13日
午前中に、地球研実践プログラム3 サニテーション価値連鎖の提案プロジェクト(プロジェクトリーダー 山内太郎)プロジェクトメンバー・原田英典氏、中尾世治氏からサニテーションに関する個人の価値観、地域のし尿に対する規範・文化・伝統・気候・経済とサニテーションの関係について、講義を受けました。講義後、先進国と開発途上国の共通の目標となる「サニテーション価値連鎖」を提案する重要性について、講師とともに白熱した議論を展開しました。
午後には、京都市北部クリーンセンター施設を訪問し、京都市におけるごみ処理の状況を知ると共に、北部クリーンセンターが取り組む公害防止、有害物質の抑制、ごみのエネルギー変換について学びました。
9月14日
榊原教授から「日本の廃棄物処理・リサイクル技術」に関する講義、榊原プロジェクト研究員・Myo Han Htun氏から「Sustainable Development Goals」に関する講義を受けました。
9月15日~16日
京都におけるゴミ収集システムの視察のため市内を回り、駅周辺や公道の清掃状況、公共ごみ箱の設置状況・区分けの仕方、公衆トイレの使用状況や清掃状況を見て回りました。多くの観光客が訪れるような場所でも、ごみが散乱することなく、清掃が行き届いている状況に驚いていた様子が印象的でした。
9月17日
3つのグループに分かれプログラム成果発表会を行い、「持続可能な廃棄物処理システムの未来デザイン」について、発表を行いました。発表後には修了式を行い、プログラム修了証・記念バッチの授与を行いました。
地球研は郊外にあるため、食生活に不自由をするのではないかと心配していましたが、ゲストハウスに併設されたシェアキッチンで、研究員とともに毎日料理を楽しんでいる様子を見て、大変安心しました。また、滞在期間中は天気にも恵まれ、限られた自由時間には、伏見稲荷大社や八坂神社へ出掛けるなど、初秋の爽やかな京都を思い存分満喫したようです。
最後に、本プログラムを実施するにあたり、多大なご支援を頂くとともに、交流のきっかけを与えて頂いた「さくらサイエンスプログラム」に、深く感謝いたします。