2019年度 活動レポート 第171号:神戸大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第171号

バイオマス技術による持続可能社会構築に向けた技術習得とSDGsを目指したグループ討論

神戸大学
荻野 千秋さんからの報告

本プログラムでは、タイ・マヒドン大学、インドネシア・インドネシア科学院、マレーシア・ノッティンガム大学、そして台湾・元智大学より合計18名の学生と引率教員に来日していただき、バイオマスの有効利用を目指し、日本企業での取り組みを見学しながら、将来に向けてのグループ討論を行いました。4か国の学生14名と神戸大学の学生8名を5つの小グループに分け、1週間の最後にSDGsの取り組みとバイオマスの将来性についてグループで口頭発表を行いました。各グループに、同じ国出身の学生はおらず、全く異なる背景を有する者同士で議論が進んだことが非常に有意義な時間でした。

神戸大学工学部棟前での集合写真

10月7日(月)

プログラムのガイダンスを行い、参加学生の自己紹介を行いました。初対面のメンバーが多く、最初はぎこちなかったのですが、昼食をとるなどして、次第に打ち解けていきました。午後には、5つのグループを構築し、引率で来日して頂いた先生方による、各国のSDGsの取り組みの紹介を聞きながら、各グループでの議論課題を抽出しました。

10月8日(火)

大阪・堺にある株式会社DINS堺の見学に行きました。この工場は、日本で唯一の木質廃棄物からのバイオエタノール生産工場であり、参加した学生達の眼には、汚い廃棄物からガソリンに混合可能なエタノールが生成されるプロセスが、新鮮に感じられたようです。

DINS堺企業見学

午後には、京都伏見の月桂冠酒造記念館を見学し、日本で古くから行われている日本酒製造技術が、現在のバイオ燃料製造技術と共通した技術の上に成立していることを、再認識することが出来ました。

月桂冠において日本酒用の湧き水を試飲

10月9日(水)

各参加者の研究内容の紹介(1人10分)を行いました。皆、バイオマスやそれに関わる研究に従事しており、参加したメンバーから積極的な質疑応答がなされていました。この研究紹介を通して、さらに各参加者のコミュニケーションが進んだように感じました。

10月10日(木)

三重県にある株式会社中部プラントサービスを訪問しました。この、森林原料を用いた発電事業も、持続可能な社会の構築には大きく貢献しており、その内容を詳しく知ることが出来ました。更に、この発電所から発生している二酸化炭素ガスを活用して、隣接する微細藻類培養会社(株式会社ユーグレナ)において、効率的な培養がされている現場も見学することが出来ました。発電と効率的培養の併用が行われている現場を見学でき、学生にはSDGsとのかかわりを深く理解する良い見学となりました。

バイオマス発現所からの二酸化炭素を利用した微細藻類培養

午後には、三重大学生物資源学部を見学し、地場産業から排出される多様なバイオマスの有効活用を通した地域活性化の取り組みについて紹介を受けました。特に、生物資源であるアワビの養殖などとの連携に、みな驚いていました。

三重大学でのソルガム育種見学

10月11日(金)

この1週間の取り組みをグループごとにまとめて、バイオマスとSDGsに関して最終報告(発表15分、質疑応答10分)を行いました。1週間という短い時間でしたが、各グループで面白いテーマを設定し、その議論の成果を発表出来ていました。