2019年度 活動レポート 第170号:岡山大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第170号

持続的かつ先進的な農業・環境技術を岡山で学ぶ
-SDGs達成を目指して-

岡山大学
稲森 岳央さんからの報告

タイのカセサート大学からの11名(学生10名と引率教員1名)は、2019年9月10日から9月16日の日程で農業生産に関する様々な技術、そして地球環境や環境保全について持続可能な開発目標(SDGs)の視点から学ぶプログラムに参加しました。

お揃いの「カセサート大学」Tシャツを着ての来日

SDGsは、2015年に国連で採択された国際目標です。岡山大学では、SDGsの理念と目的の下、持続可能な社会を目指し、私達が抱える様々な課題に全学で取り組んでいます。

年々、認識や取り組みが浸透してきているSDGsですが、まだ、十分とは言えない状況です。よって、本プログラムでも、まずSDGsに関する講義とSDGsゲームにより、SDGsに関する理解を深めてもらいました。ゲームは、国連が作成した3択問題に回答する形の双六ゲーム。知らない事柄も多く、皆、改めてSDGsの重要さを認識しました。

SDGsゲームでSDGsの理解を深める

研究施設の見学は、本学農学部、資源植物科学研究所(倉敷市)、惑星物質研究所(鳥取県三朝町)で行われました。森林における物質循環と生物の役割、環境にやさしい病害虫管理方法等、タイでも応用できる知識、最新の分析機器や実験手法について学びました。

惑星物質研究所で超高圧発生装置による実験を見学

フィールドでは、作物、花き、野菜、果樹生産、地球温暖化対策ともなる壁面緑化等について学びました。岡山は桃やブドウ生産で有名ですが、試食用に提供された桃とブドウの美しさにまず写真撮影会が始まり、続く試食では、その美味しさに大興奮でした。

本学で収穫されたモモについて熱心に質問をする招へい学生

これらの見学でキーとなったのは、日本で研究をしている留学生の存在であったと思います。皆、留学生の研究や日本の生活について熱心に耳を傾けていました。資源植物科学研究所には、招へい学生の先輩であるカセサート大学出身の大学院生が留学しており、日本への留学を身近に感じてもらえたのではないかと思います。

留学生の研究を熱心に聞く招へい学生

研究施設の見学に加え、後楽園、岡山城、岡山市立京山公民館、倉敷美観地区、厳島神社、広島平和記念資料館、5-days子供文化科学館(広島県広島市)、鳥取砂丘を訪れました。訪問には本学の学生も同行し、学生レベルの交流を深めました。7日間の滞在でしたが、たくさんの学びと経験とともに本国に帰国したことと思います。そして、それぞれがSDGs達成に向けて、取り組みを進めていってくれることを願っています。

4回目を迎えた本プログラムを通じてカセサート大学との交流が活性化し、本学への交換留学や国内大学へのインターンが増えているだけでなく、上記のような本学大学院への進学者も見られるようになりました。招へい学生たちが、本国に帰って日本での経験を広く伝えてくれた成果が、交流活性化につながってきているのだと思います。

今回も関係者のご支援を得て、本プログラムを無事終了することができました。今後も、さくらサイエンスプログラムの目的である「友好関係の強化」、「グローバル化の促進」、「優秀な人材の育成」に向けて、交流を続けていきたいと思います。