2019年度活動レポート(一般公募コース)第165号
タイ学生と高専生が科学技術アイデアソンを通してグローバルな視野を育む
熊本高等専門学校からの報告
2019年9月23日から7日間、タイ王国スラナリー工科大学の学生7名と引率教員1名の計8名をさくらサイエンスプログラムの支援によりお招きしました。
「タイ学生と高専生が科学技術アイデアソンを通してグローバルな視野を育む」をテーマに2015年に国連サミットで合意された「持続可能な開発のための2030アジェンダ、Sustainable Development Goals: SDGs」を念頭においた問題解決アイデアソンに取り組みました。
【Day1】9月23日(月・祝)
熊本高専1年生11名がスラナリー工科大から学生7名と引率教員1名を出迎え、福岡県太宰府市にある太宰府天満宮を参拝し、境内を案内しながら日本文化に触れました。
【Day2】9月24日(火)
昨日の出迎えメンバーとは異なる1年生メンバーと交流を持ち、アイスブレイクや互いの文化を紹介し合いました。午後のフィールドワークでは熊本城や市街地を案内しお互いの距離を縮めました。
【Day3】9月25日(水)
問題解決型アイデアソンを開催しました。スラナリー工科大の学生7名、本校の1年生交流参加者22名、本校に研究活動のため来日したばかりのシンガポールの短期留学生7名を加え、日泰星の多国籍チームを構成しました。
SDGsについての説明の後、それぞれの地域や身の回りにある問題、あるいは世界で生じている問題をチーム内で共有し合い、解決を目指す問題を各チームが決定しました。多国籍チームでの活動は、よりグローバルな視点でのディスカッションとなりました。この日は夕方部活動や学内研究室も訪問しました。
【Day4】9月26日(木)
問題の背景や具体例も議論して、工学系の枠を超えて問題解決のための技術やアイデアについて議論を進めました。招へい学生は自らの知識を技術的な面、英語力の面でも苦労している1年生に共有しながらチーム内の議論を進めていました。
またこの日は、日本が誇る産業文化の一つである食品サンプルづくりの体験会も実施しました。天ぷらや野菜のサンプルづくりのデモンストレーションのほか、参加者はパフェのサンプルづくりにもチャレンジしました。
【Day5】9月27日(金)
アイデアソン最終日の午前中はプレゼンテーションの準備を進めました。発表会では、水害や地震、水問題、健康管理、貧困問題など、各チームが導き出したアイデアを英語で発表しました。1年生全員が聴講し、プログラム参加学生以外の1年生もSDGsや様々なアイデアに触れる機会とすることができました。
【Day6】9月28日(土)
阿蘇エクスカージョンに出かけました。はじめに訪れた阿蘇神社では2016年に発生した熊本地震による被害や影響を学び、さらに九重にある八丁原地熱発電所では地熱発電が純国産の再生可能エネルギーを利用した発電施設であることや、地熱を利用した発電の仕組みを学びました。
【Day7】9月29日(日)
スラナリー工科大の学生たちは、早朝熊本を離れタイへの帰国の途につきました。
今回の交流で新たに研究短期留学受け入れへの申し出もあり、両校の結びつきをより強いものとすることができました。さくらサイエンスプログラムをはじめご支援いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。