2019年度活動レポート(一般公募コース)第154号
健康長寿世界一を目指して
静岡県からの報告
静岡県では、インドネシア西ジャワ州政府の協力を得て、西ジャワ州から選抜された高校生8名、引率1名を招へいしました。西ジャワ州政府とは、平成29年11月に「人材育成及び経済分野での協力推進に係る覚書」を締結し、交流を推進しています。
本プログラムでは、本県の特徴の1つである「健康長寿」をはじめ、「健康」、「医療」分野に係る最新の研究や技術・取組みを学んでもらうため、県西部、中部、東部と県内全ての地域の大学や研究施設を訪問しました。また、静岡への留学に興味を持ってもらうため、各大学への訪問に際しては、インドネシア人留学生や日本人学生との交流時間も設けました。
県西部地域
静岡大学工学部、浜松医科大学を訪問しました。静岡大学では、インドネシア出身の大学院生から研究内容の説明を受け、実際に留学して学ぶ姿に感銘を受けている様子でした。次に訪れた浜松医科大学では、外科学等の高度な実験・実習を行っている研究室を訪問し、特に麻酔・蘇生学講座で見学したマウスを使った麻酔研究の現場では、生徒たちは熱心に質問していました。
県中部地域
静岡県立大学看護学部とふじのくに地球環境史ミュージアムを訪問しました。県立大学では、実際に高性能マネキンを使って、バイタルサインを計測するシミュレーションを行いました。この体験を通じ、看護師の役割の大切さを学び、将来は看護師になりたいと心を動かされた生徒もいました。また、インドネシア人留学生の先輩とハラール昼食を食べ、静岡の生活や大学の授業について生の声を聞きました。そして、全国初の地球環境史の博物館である、ふじのくに地球環境史ミュージアムでは、静岡のもつ豊かな自然について理解を深め、自然を守り、持続可能な社会を実現するためにはどうしたらよいか考えました。
県東部地域
国立遺伝学研究所、順天堂大学保健看護学部、県立がんセンターを訪問しました。国立遺伝学研究所では、マレーシア出身の教授から、遺伝子から見る人類の遷移について講義を受け、インドネシアとマレーシアが同じルーツを持つことを、遺伝学、言語学、考古学的見地から学びました。順天堂大学保健看護学部では、日本人学生と一緒になって、看護体験を行いました。学生から直接説明を受け、同世代同士での交流に、日本人学生も西ジャワの高校生も生き生きした表情でした。県立がんセンターでは、実際に医師が練習用に使う手術支援ロボット「ダヴィンチ」のシミュレーター体験を行いました。将来、医師を目指している生徒は、この体験を生かし、目標達成に励みたいと話してくれました。
本プログラムの実施にあたっては、西ジャワ州政府や県内の受入れ機関の温かい御支援により、本県高等教育機関等の高い教育・研究力を広報するとともに、日本や本県への留学に対する関心を高められたと思います。協力機関の皆様に今一度お礼を申し上げると共に、引き続き西ジャワ州との交流を推進して参りたいと思います。