2019年度活動レポート(一般公募コース)第146号
カンボジアの若手研究者・学生が歯科医学の発展と平和の確立を学ぶ
広島大学からの報告
令和元年8月4日(日)~8月10日(土)、広島大学歯学部では、カンボジア・プシサストラ大学から5人の若手研究者、5人の学部学生を迎え、プログラムを行いました。
このたびのプログラムは、カンボジア有数の私立大学であるプシサストラ大学の若手教員および学生を日本に招へいして、広島大学歯学部の提供する研究・教育(ハード・ソフト)を紹介し、将来の若手教員の学位取得や学生の本学大学院への留学、さらには両大学間の共同研究を促進することを目的に実施したものです。
また、広島とカンボジアは歴史的な負の遺産を共有しています。広島は人類史上初めての原子爆弾によって壊滅的な被害を受け、カンボジアはポルポト政権下で行われたホロコーストによって将来を担う優秀な人材が失われ、現在に至るまで国の発展や科学技術分野の進展に大きな影響を及ぼしています。このプログラムでは、両国の若手研究者や学生に対して、上記のような負の歴史を共有していることを自覚させ、歯科医学や科学技術の発展のためには平和の確立が必要であることをお互いに認識させることも目的としています。
8月4日(日)から8月7日(水)までの間、広島大学歯学部にてオリエンテーション、歯学部教員とのグリーティングの後、病院見学、講義の受講、研究室訪問を行うとともに今後のコラボレーション等も視野に入れた、研究に関する意見交換等を行いました。
また、8月5日(月)の午後に、文部科学省革新的イノベーション創出プログラムCOI事業として本学が採択された「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」を見学し、その日の夕方には、歓迎会を本学カフェテリアにて行いました。
8月6日(火)は広島平和記念公園で挙行された平和記念式典に参加した後、平和記念資料館や原爆ドームを見学し、原爆被害の理解や平和に対する意識を深めました。
8月8日(木)は、株式会社モリタの京都工場を視察し、歯科診療用のチェアーや歯科材料・工具等が組み立てられる様子を見学し、また、実習用ロボット等の最先端機器を体験しました。
8月9日(金)には、お台場の日本科学未来館を訪問し、日本が誇る最先端技術に関する展示等を見学しました。
本プログラムへの参加により、広島大学歯学部及び日本の歯学関連の研究や技術の先進性と国際的な教育・研究活動を、一端ながらも十分に理解、体験していただけたものと考えております。また、平和記念式典に参加することにより、平和に対する意識の高揚にも寄与し、実りの多いプログラムになったのではないかと考えます。将来、参加者の多くが大学院生として、あるいは研究者として、また日本、広島大学歯学部に来ることを願っています。