2019年度 活動レポート 第145号:大阪工業大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第145号

大都市の水環境問題に対するフィールド調査を基盤とした環境工学的アプローチ

大阪工業大学からの報告

環境工学科は8月4日から10日の7日間、インドネシアの協定校3大学(国立パランカラヤ大学、国立ムラワルマン大学、バクリ大学)の学生15人と教員5人(自己資金参加2人含む)を、「さくらサイエンスプログラム」の助成により招へいし、国際PBLを実施しました。駒井幸雄教授、髙山成准教授、河村耕史准教授がプログラムを担当し、本学から同数の学生が参加。「大都市の水環境問題」をメーンテーマに、気象環境、生物資源、水質の3つのサブテーマのグループに分かれ、フィールド調査を実施しました。

成果発表の準備

プログラムの概要

1日目 梅田キャンパス見学、オリエンテーション
2日目 開講式、参加者の自己紹介とカントリーレポート、担当教員の担当教員の紹介
ウェルカムパーティ
3日目 大阪城外堀での調査、大阪市立科学館見学、調査結果まとめとディスカッション
4日目 淀川と城北わんどの水質調査、津波・高潮ステーション見学、調査結果のまとめとディスカッション、
5日目 各グループに分かれて担当教員の指導のもとディスカッション、調査計画の作成
6日目 成果発表会、講評、閉講式。終了後、海遊館見学

コミュニケーションはすべて英語で行い、最初に、参加学生全員による自然、歴史、社会、文化をカントリーレポートとして発表し、両国の環境問題について相互理解を深めました。参加学生は意思疎通に苦労しましたが、各班の調査結果に基づいて議論を重ねながらプレゼンテーションをまとめていく協働作業を通して、親密な関係が築かれたようです。

大阪城公園のお堀の水質調査
淀川城北大橋で水質調査

プログラム終了後、インドネシア学生から「本学に留学して次世代のバイオ燃料として期待されているオイル産生藻類の研究をしたい」と、本学学生からは「インドネシアで近年問題になっている泥炭地をフィールドとした研究に取り組みたい」といった希望が聞かれました。両国の教員間でも、共同研究に発展するテーマについて活発な議論が展開され、大学間交流プロジェクトの発展がより一層期待できる貴重な機会となりました。

調査結果のプレゼンテーション

パランカラヤ大学とムラワルマン大学は、ジャカルタから1000キロ以上離れたカリマンタン島にあります。同地域の熱帯泥炭湿地林は、近年の伐採・開発や森林火災により急激に減少し、消滅の危機にあります。バクリ大学が位置するジャカルタは、人口集中の著しい大都市圏であり、都市排水の処理問題を抱えています。3大学は、これらの水環境問題をそれぞれの地域で経験しており、その解決に向けた人材育成が喫緊の課題となっています。本学はこの国際共同プロジェクトを今後も継続する予定です。

閉講式後、参加者全員で