2019年度活動レポート(一般公募コース)第143号
先端的電力システム技術に関する体験交流
熊本大学からの報告
2019年10月31日から11月6日まで、「さくらサイエンスプログラム」のご支援により、ミャンマー連邦共和国のヤンゴン工科大学から教員1名大学院生2名学部生8名、サガイン工科大学・メイッティーラ工科大学から各教員1名学部生1名、その他3工科大学から学部生各1名の、合わせて18名を熊本大学などにお招きしました。これからのミャンマーを背負って立つ優秀な人材に、我が国の最新の電力システム設備と技術を体験し、親しんでもらうことが目的です。
招へい者が宮崎大学への訪問も希望されたため、来日した31日は宮崎へ移動し、午後から九州電力株式会社宮崎支店を訪問し、総合制御所や配電自動化システムなど電力運用設備を見学しました。11月1日には宮崎大学を訪問し、迫田達也先生の部分放電に関するご講演と、太陽光発電や太陽光集熱などの実験設備を見学させて頂きました。
11月2日は熊本大学に移動し、まずはオープンキャンパスに参加して頂きました。その後、実施主担当の宮内から我が国の電力設備のあらましを紹介し、王斗艶先生のパルスパワーに関するご講演を聴いて頂いた後、実際にパルスパワー関連の実験設備を見学して頂きました。
そして、5日には九州電力株式会社中央給電指令所を訪問し、需要と発電の制御に関する説明を受けました。このように、電力会社では電力システムの実際の運用制御を見聞し、また、宮崎・熊本両大学では電気エネルギーに係わる最先端の実験設備を見て研究成果を聞くことで、若い学生の皆さんに電力システムの運用制御の高度化技術、最先端の研究に触れることで、電力の大切さが理解され、電気・エネルギー分野への興味がいっそう高まったものと思っています。
3日には、貸切バスで大観峰から阿蘇五岳を臨み、熊本地震から復興中の阿蘇神社や草千里浜を巡る阿蘇へのツアーも実施し、阿蘇カルデラが織りなす雄大な自然や我が国の伝統文化の一端にも触れて頂きました。
宮崎大学工学部にはミャンマー国籍のThi Thi Zin先生がおられることからミャンマーからの留学生も多数おられ、その交流会ではお互いに交流を深めることができ、熊本大学では「持続性社会のために自分達は何ができるか」をテーマに、日本人とミャンマー人の混成グループによるグループディスカッションを行ました。さらにこの後に、招へい者18名と熊本大学の学生13名と実施主担当者を交えた懇談会を開催し、我が国の学生との交流を深めることができました。
一週間で九州一周という非常にきついスケジュールでしたが、招へい者の皆様は皆精力的にプログラムに参加して頂き、そして我が国に多くの興味を持っておられました。それだけでなく、熊本大学・宮崎大学両大学の学生にとっても様々な交流ができ意義深いものでした。これからも、ヤンゴン工科大学などミャンマーの大学と熊本大学の交流を続けていきたいと願っています。