2019年度活動レポート(一般公募コース)第134号
千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター短期学生交流プログラム
千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター
千葉大学大学院工学研究院 教授 劉 浩さんからの報告
2019年は7月28日から8月3日までの7日間にわたり、さくらサイエンスプログラムの助成を受け中国・上海交通大学から10名の大学院生を招致し、千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター(ICRC)短期学生交流プログラムを実施しました。本プログラムは上海交通大学・千葉大学国際共同研究センターの国際交流プログラムとして、2014年より毎年同時期に実施していて、留学生たちがバイオメカニクスやバイオロボティクス分野の最先端の研究に触れ、日本での生活を体験することにより、将来日本での大学院生やポスドクの道を選択し再来日してもらうことを目的としています。
本年も、ICRC教授陣による特別講義および研究室見学、千葉大学次世代モビリティパワーソース研究センター見学、学外施設見学(理化学研究所、日本科学未来館、TEPIA先端技術館)などが行われました。さらに千葉大学国際教育センター主催の日本文化体験(折り紙、浴衣の着付け)も企画し、科学技術分野だけに留まらず、伝統文化などあらゆる視点から日本を理解できるようにしました。
今回も5名のICRC教授陣から、「持続可能な社会を拓くバイオミメティクス(生物)」(劉浩教授)、「時間と周波数の制御:デジタル時代のボトルネック」(橋本研也教授)、「高速ビジョン・マニピュレーション」(並木明夫准教授)、「生体運動制御と機能補助」(兪文偉教授)、「血球運動のバイオメカニクス」(坪田健一教授)と題した特別講義が行われました。
講義の後の研究室見学では、羽ばたき機やエアホッケーロボット、福祉ロボットなどを実際に触ったり体験したりすることで、千葉大学の最新の研究成果に関してより興味を持った様子でした。今年は千葉大学次世代モビリティパワーソース研究センター見学もセンター長森吉泰生教授のご好意により実施され、次世代自動車エンジンの研究開発の現場を肌で感じてもらうことができて、皆に大変感心されました。また千葉大学、上海交通大学の両学生によるワークショップも行われ、研究発表を通して活発な交流がみられました。
学外活動では理化学研究所、日本科学未来館、TEPIA先端技術館を訪問しました。理化学研究所和光キャンパスでは情報システム本部と仁科加速器科学研究センターを訪問しスーパーコンピュータや原子加速器などの実験設備を見学し、日本のスパコンの技術や日本発新元素の発見などに大変感銘を受けた様子でした。また日本科学未来館とTEPIA先端技術館では、アシモやオルタといった最先端のロボット、センシングやビッグデータなどの産業技術を応用した製品の展示を見学しました。学生たちは最先端の技術や普段目にする機会のない設備に興味津々の様子でした。
今年のプログラムは、実施期間の改定により7日間に短縮されましたが、学内外の見学なども終始日中両学生の笑顔に溢れた和やかな雰囲気の中進み、双方の学生にとっては多くの体験ができて有意義に過ごせた一週間でした。実際上海交通大学の学生からまたぜひ来日したいという声が多数寄せられてきました。その中に早速来年度にも千葉大学大学院ダブルドクターディグリーへの進学を希望する学生がいました。本プログラムによる当初の事業目的が大いに達成できたかと感じております。
末筆ながら、本プログラムを支援していただいた「さくらサイエンスプログラム」、千葉大学、その他機関・団体の関係者各位にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。