2019年度活動レポート(一般公募コース)第129号
ベトナムの学生が福井における原子力発電と原子力教育の現場を体験
福井大学
桑水流理さん、中島恭平さん、松尾陽一郎さんからの報告
福井大学原子力・エネルギー安全工学専攻において、2019年9月1日より9月6日までの6日間、ベトナムのElectric Power Universityから7名(学生6名と教員1名)、Central Electric Power Collegeから3名(教員3名)の合計10名を招へいし、福井における原子力発電と原子力教育の現場を体験してもらいました。招へい者は9月1日から4日まで、福井大学附属国際原子力工学研究所(以下、研究所と省略)のある敦賀市に滞在し、9月5日は福井大学の文京キャンパスがある福井市に滞在し、6日に帰国しました。以下、各日ごとの実施内容と招へい者の様子を報告します。
9月1日
正午に招へい者は敦賀に到着し、担当者と合流しました。この日は敦賀市内を散策し、敦賀気比神宮にて開催されていた気比神宮例祭を観覧しました。
9月2日
終日研究所に滞在しました。午前は開講式に参加し、担当者による特別講義「放射線計測とニュートリノ観測」を行い、最後に留学ガイダンスを聴講しました。午後、福井大学の学生との交流会を行い、お互いの国や地域・文化について、また各自が取り組んでいる研究について発表および質疑応答を実施しました。交流会の質疑応答では質問やコメントが活発に交わされ、有意義な交流会となりました。その後、研究所内の各教員の研究室・実験室の見学を行い、最後に懇親会にて教員や学生との交流を行いました。
9月3日
午前に敦賀市内にある福井県原子力環境監視センターを見学し、福井県における原子力発電所周辺および県内の放射線モニタリングについて説明を受けました。午後は関西電力(株)美浜原子力発電所を見学し、美浜3号機の状況について説明を受け、その後バスで敦賀市を回って市内散策を行いました。
9月4日
午前、原子力基礎実験として、NaIシンチレータを用いたガンマ線測定を行いました。2時間の間に検出器のエネルギー較正から環境中の核種の同定まで正しく行うことができ、教員・招へい者の間で活発な議論が交わされ、福井大学の教育・研究の現場を理解できる機会となりました。
午後は福井県立敦賀高等学校を訪問し、高校2年生36名との交流会を行いました。初めの1時間はお互いの文化の説明を通じた交流を行い、後半の1時間は放射線モニターを用いた実験を通じて高校生と交流・議論を行いました。招へい者の一人は、この交流会で高校生と話せたことが最も印象に残ったと語っていました。その後、貸切バスで福井市へ移動しました。
9月5日
午前、福井市文京キャンパスの見学を行いました。図書館の留学生コーナー、留学生用の寮(牧島ハウス)などを見学しました。その後、職員による詳細な留学生ガイダンスを行い、福井大学で学んでいるベトナム人TA2名から日本の生活について紹介をしてもらいました。最後に閉校式を行い、修了証を授与しました。午後、福井駅より鉄道により関西空港近くの宿泊先まで移動し、翌日9月6日に関西空港よりベトナムへと帰国しました。
このたびのさくらサイエンスを契機として、参加者および参加者の所属する教育研究機関と、密接に交流できる関係を維持、発展していきたいと願っています。