2019年度 活動レポート 第125号:東京大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第125号

PKU-UTokyoナノカーボン サマーキャンプ

東京大学からの報告

令和元年8月1日から8月7日に、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、北京大学の大学院生10名と東京大学の大学院生10名によるサマーキャンプ「2019 PKU-UTokyo Nanocarbon Summer Camp」が東京大学の本郷キャンパスで行われました。これは、フラーレン、カーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボンの共同研究と若手研究者・大学院生の交流を目指して北京大学と東京大学の研究者が組織した「東京大学-北京大学ナノカーボン連携研究ラボ」http://www.photon.t.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/PKU-UTokyo/PKU-UTokyo.htmlが中心となって企画されたもので、2015年の東京大学、2016年の北京大学、 2017年の東京大学、 2018年の北京大学に続く第5回目です。

このサマーキャンプに付随して、8月2日には、上記の学生に加えて北京大学の教員と東京大学等の教員が参加した「2019 PKU-UTokyo Nano-Carbon Workshop」が行われました。北京大学の教員の招へいには、東京大学の戦略的パートナーシッププログラムの支援を受けています。

北京大学の学生10名はCollege of Chemistry and Molecular Engineering、School of Electronics Engineering and Computer Science、 College of Engineering、School of Physicsのナノカーボン研究室から選抜された大学院生で、来日前からWeChatのグループを作って、来日の準備を進めていました。

 

8月1日

北京大学の学生は夕方に東京大学に到着し、レジストレーションとオリエンテーションを行いました。北京大学のポスドク1名、東京大学の教員1名、東京大学の中国人大学院生2名で対応しましたが、北京大学のポスドクは大学院の時に東大のGMSIサマーキャンプに参加した事があり、おかげで大変速やかに滞りなく行えました。

8月2日

北京大学の教員1名、ポスドク1名、学生10名、東京大学の教員3名、産総研の研究員1名、学生10名のほかに、東京大学の助教・ポスドク6名が参加してワークショップを行い、北京大学と東京大学の教員が交互に講演しました。カーボンナノチューブの構造制御合成、ヘテロ構造合成、ラマン分光、エキシトンやTHz光学特性、トランジスター応用などのナノカーボン材料に関する専門的な講演と議論が行われました。

ナノカーボンワークショップ

午後には、3班に分かれて、工学系研究科機械工学専攻丸山・千足研究室、理学系研究科の佃研究室、総合研究機構の幾原研究室の実験室見学会が行われました。ワークショップの終了後は、東京大学の向ヶ岡ファカルティハウスのレストラン、アブルボアを借り切ったレセプションが行われました。

ラボツアー

8月3日-6日午前

3日午前中は、ファシリティターの助教・ポスドクのもとで、サマーキャンプメンバー全員が5分間の研究発表を行いました。予定時間をだいぶ超過して、活発な議論が行われました。その後、グループワークのためのグルーピングを自主的に行ってもらいました。グループワークの課題は、北京大学2名と東京大学2名の4名のグループで、「北京大学と東京大学とでのナノカーボン関連の共同研究プロジェクトを企画し、研究背景、計画、期待される成果についてのプレゼンを準備すること」でした。また、現在の自分の博士課程の研究をこのプロジェクト企画に生かすことを求めました。

午後からグループワークが開始され、8月6日の午前の発表会の直前まで各グループでの熱心な議論が続きました。

グループワーク

8月6日午後

北京大学の学生にはさくらサイエンスの修了賞とバッチの授与、教員による各グループの発表に対する講評と表彰式が行われました。Best Proposal賞は、The Potential Application of Twisted Bi-layer Graphene in Mode-locking Laserという研究提案に与えられました。まさに、東京大学と北京大学の研究の強みを合わせたような研究提案でした。来年は北京でサマーキャンプを行うことを宣言して全体での行事は終了しましたが、学生たちはいつまでもグループや数人ずつの写真を取り合っていました。

プレゼンテーション

8月7日

数名の東京大学の学生と北京大学の学生たちで東京を探索し、その後帰国しました。

北京大学の学生へのアンケートの結果は、今回の訪問に10人中10人が”Very Satisfied”、今後の日本への訪問についても10名が”Definitely Wish” と回答してくれました。