2019年度活動レポート(一般公募コース)第122号 (Aコース)
シンガポールの高校生との科学を通じた交流
兵庫県立神戸高等学校からの報告
シンガポールの姉妹校から高校生を招へい
本校ではシンガポールのラッフルズ・インスティテューション(以下RI)から10名の高校生を招き、交流を継続しています。今年度は当初、訪日の際の経由地であった香港でのデモ激化による航空便の急な変更もあり、8月19日から8月24日までの6日間の交流でした。
高校・大学・企業における科学を通した交流
RIは進学校で、卒業後は海外の大学に進学する生徒が多くいます。国土の小さいシンガポールは限られた資源を使って経済発展を図るために科学技術系人材の育成には特に力を入れており、海外の大学や企業に積極的に進出しています。また、本校生徒と同様にRIの生徒たちは独自の研究テーマを持っており、シンガポールの大学の研究室に通う等してそれぞれが研究を進めています。
そのようなRI生徒に将来日本で留学生や研究者として活躍することを具体的にイメージしてもらうため、本プログラムは高校生との交流、大学研究室での交流、企業における交流を中心としました。
神戸高校生との交流
本校生との交流は主に、「研究発表プレゼンテーション」「自然科学研究会との交流」「モデルロケット打ち上げ実験」で行いました。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている本校では、総合理学科の生徒が課題研究の授業等、主体的に研究活動を行っています。また本校では研究発表に関して、英語で発表する機会を大切にしており、そのための指導も行っています。総合理学科や自然科学研究会の生徒とRI生徒達は英語でコミュニケーションを取りながら、相互に研究成果を発表し、協働して科学工作を行いました。
大学の研究室での交流
京都大学大学院エネルギー科学研究科を訪問した際には、エネルギーの確保や環境の保全に関する講義や研究施設の案内をグループ毎にして頂きました。RI生徒の中にはエネルギー問題や環境問題を個人的な研究テーマとしている者もおり、大学教員や大学院生に積極的に質問していました。また小グループで案内して頂くことで研究設備や実験器具に関する詳しい説明を受けることができました。
企業(竹中大工道具館)での交流
今年度は日本で唯一の大工道具の博物館である竹中大工道具館を訪問し、グループ毎に「大工や左官、瓦師などによる伝統の職人技と道具」「最先端の建築技術」を英語と日本語で学びました。様々な展示を通して「大工道具の魅力(歴史・種類・しくみ)」について体験も交えながら、楽しく学ぶことができました。ボランティアの方々の熱心な説明にRIの生徒達も熱心に耳を傾けていました。
本プログラムにおいて、RI生徒には、日本の文化、伝統だけでなく、科学技術に関して学び、交流する機会を多く持ってもらうことができました。今回の訪日で得た様々な知識や人とのつながりが、将来の日本との交流にさらに繋がっていくことと期待しています。JSTをはじめ、支援・協力を頂いた関係者の皆様にお礼申し上げます。有難うございました。