2019年度 活動レポート 第115号:新潟大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第115号

美しい日本海に浮かぶ佐渡島でアジア圏の学生たちが海の生物多様性を学ぶ

新潟大学からの報告

日本海に位置する佐渡島は、多様な海洋生物相と豊かな自然に恵まれています。その佐渡島の環境を活かし、2019年8月21日から27日の7日間にわたって、海洋生物の多様性・進化について学ぶプログラムを新潟大学佐渡自然共生科学センター臨海実験所で実施しました。さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インド・バングラデシュ・ベトナム・中国・マレーシアなど主にアジア圏の海外9大学から学生教員合わせて24名、加えて日本国内の8大学から13名、合計37名が参加しての国際色豊かな実習となりました。

プログラム内容

  • 実験所教員による動物分類学や日本海についての講義
  • 招へいした研究者による海洋生物学に関する講義
  • 実習船でのプランクトンネットを用いたプランクトン採集と観察
  • シュノーケリングによる磯生物の採集と観察
  • ムラサキウニの人工受精と胚の初期発生観察
  • ウミホタルの生物発光の観察
  • グループ/個人での発表会
  • 佐渡島の成り立ちおよび植物相についての学習
  • 水族館および博物館の見学
発表会に向けてのディスカッション中

1日目から4日目

佐渡の臨海実験所で寝食を共にしながら、各種活動を行いました。座学として、実験所教員によるプログラムの基礎となる動物分類学や日本海についての講義や、国内外の5名の生物学研究者による海洋生物学に関する幅広い分野についての講義を行いました。

野外ではプランクトンや磯生物の採集と観察を行い、自ら採集した海洋生物について体の作りや動きを詳しく観察し、さらに図鑑を使って種同定を行いました。海の生物多様性を実体験として学んでもらう、またとない機会となったはずです。

シュノーケリングでの磯生物採集
採集した生物の観察・解説

ウニの人工受精実験では、一人ひとりが自分の手でウニから卵や精子を取り出して受精させ、その後の発生過程を観察することで、生命の誕生と発生の仕組みについて学んでもらいました。ウミホタルの生物発光は、美しいだけでなく、その発光メカニズムや生物学的な意義について学ぶ良いきっかけになりました。そして、学んだことをグループで討論しながらまとめ、最後に発表会を行いました。

ウニからの採卵・採精

5日目

新潟大学佐渡自然共生科学センター演習林を訪れて佐渡島の成り立ちや特徴的な植物相などについて講義を受け、野外での植生観察を行ったのち、東京へ移動しました。

景勝地大野亀での植生観察

6日目

東京で葛西臨海水族園と国立科学博物館を訪れ、海洋生物の生態や多様性についてさらに幅広く学ぶとともに日本の科学技術についても学習しました。

7日目

ホテルから全員で成田空港へ移動し、各々帰国の途につきました。

全体として、7日間にわたり野外・屋内での様々な活動と学習を計画通り実施でき、実体験をともなった知識を得られた上に様々な国や地域からの参加者間の交流を深めることができた有意義なプログラムとなりました。参加者からも、「とてもよいプログラムだった」「友人にも勧めたい」「すごく勉強になった。是非また参加したい」などと大変好評でした。今後も、国際交流をより進めるため、この活動を継続していきたいと考えています。