2019年度活動レポート(一般公募コース)第105号
樹皮等の未利用バイオマスを原料とする活性炭の調製と物性評価
九州工業大学
坪田 敏樹さんからの報告
2019年7月15日から8月4日までベトナムのVNU-HUS(Vietnam National University, Hanoi University of Science)の大学院生3名を共同研究活動コース(Bコース)で招へいしました。
今回のプログラムの実施主担当者は、VNU-HUSのProf.Minhと未利用植物資源の炭化による有効利用に関して共同研究をすすめています。昨年度のさくらサイエンスのプログラムでは、Prof.Minhおよびスタッフ2名を招へいし、実施主担当者の研究室において実際に実験を行い、さらに九州工業大学における研究設備を確認し、継続した共同研究活動への発展のために研究環境を理解してもらいました。今回招へいした3名はProf.Minhの研究室に所属して実験研究を遂行している大学院生です。実施主担当者の研究室において植物由来炭素材料を試料として実験を行い、測定方法の指導、データの解析原理の説明、データのまとめ方の指導、等を行いました。
受入研究者がバイオ炭の分野で共同研究を行っている、九州大学農学部凌研究室を訪問しました。凌研究室にはベトナムの農業関係の国立研究所であるVAAS(Vietnam Academy of Agricultural Sciences)の研究員が大学院博士課程に在籍しています。また、ラオスからの留学生も大学院修士課程に在籍しています。凌先生と二人の留学生の研究内容の発表を聴講した後、九州大学の構内を見学しました。
受入研究者が電気二重層キャパシタに関して共同研究を行っている、福岡工業大学の田島研究室を訪問しました。福岡工業大学の概要および田島研究室における研究成果を解説いただきました。大学院生のポスター発表を聴講して質疑応答を行った後、福岡工業大学の構内を見学し、競技に使用する電気自動車等を拝見しました。
フィールド調査として、もみ殻から炭化物を製造し販売するプロセスが実際に稼動している炭化炉を見学するために滋賀県東近江市にある、あうとうエコプラザ菜の花館を訪問しました。製造装置および製品のもみ殻炭化物だけでなく、菜種から油を圧搾する装置、廃油から燃料油を製造する装置、も見学しました。京都市に移動して、伏見稲荷大社、金閣寺、龍安寺、清水寺、を訪問して小倉に戻りました。
今回の事業により実施主担当者と招へい者の研究室の共同研究の進展のみならず、実施主担当者と親交のある日本の研究者との交流や日本文化への理解もすすむ成果を挙げられたと思います。