2019年度 活動レポート 第100号:埼玉大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第100号

パキスタン・ラホール工科大学学生が埼玉大学で科学技術体験を行いました

埼玉大学からの報告

2019年8月18日から8月24日、パキスタン・ラホール工科大学の学部学生3名、大学院生2名、引率教員1名が、埼玉大学でさくらサイエンスプログラムの科学技術体験コースに参加しました。

今回の科学技術体験のテーマは「パキスタンにおける環境汚染防止のための適正技術開発」であります。不適切な管理にともなう廃棄物処分場の環境汚染問題は、送り出し国のパキスタンをはじめとして数多くの開発途上国で深刻な問題となっています。そこで、パキスタンの次代を担う学部学生・大学院生が、我が国における適切な廃棄処分管理や処分場汚染防止技術を体験して理解を深めることは、これ以上の環境汚染を防止する上で重要となります。

埼玉大学地盤環境工学研究室にて

また、活動の特徴として、本学レジリエント社会研究センターが平成22-27年度に実施したJST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業(SATREPS)「研究課題:スリランカ廃棄物処分場における地域特性を活かした汚染防止と修復技術の構築」と本学で現在実施中のJST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業(SATREPS)「研究課題:ベトナムにおける建設廃棄物の適正管理と建廃リサイクル資材を活用した環境浄化およびインフラ整備技術の開発」の国際共同活動をベースとし、さらなる若手人材育成を目指して実施された点が挙げられます。

よりいコンポスト見学

コースでは、(1)本学教員・大学院生・学部生との英語でのディスカッション、(2)環境分析技術の取得 (3)廃棄物処理・処分施設の見学、の3つの要素を組み合わせて行われました。具体的な滞在日程は以下の通りです。

8月18日 成田空港到着。埼玉大学へ移動
8月19日 オリエンテーション、地盤環境工学研究室大学院生・学部生とのディスカッション、ラボツアー
8月20日 埼玉県環境整備センター(廃棄物処分施設、リサイクル工場、他)見学
8月21日 埼玉大学大学院理工学研究科博士前期課程論文審査会参加、
さいたま市桜環境センター(廃棄物処理施設)見学
8月22日 吉見浄水場見学
8月23日 ラホール工科大学学生による報告会
8月24日 帰国

プログラムの活動内容は多岐にわたりますが、最も大きなポイントは、我が国の先進的な廃棄物処理・処分施設の見学会です。見学会では、廃棄物の回収、分別、リサイクル、焼却、最終処分に至る一連のプロセスが理解できるよう工夫しました。参加学生らは、見学会での説明に熱心に耳を傾け、廃棄物処理・処分の技術的な面だけでなく、適正管理に向けたノウハウや経験などに関する質問も多く行いました。

埼玉県環境整備センター最終処分施設見学
吉見浄水場見学

パキスタン・ラホール工科と本学は大学間協定に基づいて、これまで数多くの教員・学生交流、留学生受け入れ、共同セミナー開催、国際共同研究を実施しています。今後も若手人材育成を基軸に据え、密な相互交流に根差した連携を進めていきたいと思っています。最後に、このような貴重な機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」、およびプログラムに快く協力してくださった全ての方々および機関に、心から感謝申し上げます。

ラホール工科大学学生による報告会後記念撮影