2019年度活動レポート(一般公募コース)第094号
植物ゲノム研究をミャンマーで可能にするための共同研究
―ミャンマーの若手研究者たちと共に、ミャンマーで植物ゲノム研究を実施可能する体制の構築に踏み出す―
佐賀大学からの報告
佐賀大学総合分析実験センターおよび農学部では、2019年9月8日から28日までの21日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、ミャンマーから教員4名を招き、ミャンマーで植物ゲノム研究を実施可能する体制構築のための共同研究を実施しました。
9月8日
早朝、福岡国際空港に到着後、佐賀大学に移動しました。
9月9日:午前
午前中、佐賀大学で保存・依存しているカンキツ及び近縁種を見学しました。ミャンマー北部は、カンキツ起源地の有力候補であることもあり、ミャンマーでも同様の保存活動を行うためには、どうするべきかを議論しました。
9月9日午後~9月14日および16~17日
教室に籠もって、DNA配列データの解析を行いました。この間、9月12日には、歓迎会を開催しました。招聘者は、民族衣装を着用して参加しました。
9月18日
佐賀大学農学部附属アグリ創生教育研究センターを訪問し、様々な遺伝資源の管理の様子を観察しました。また、最先端の農業機械を見学しました。
9月19-21日
教室に籠もって、データ解析の続きを行いました。
9月23日
熊本大学薬学部付属薬用資源エコフロンティアセンターを訪問し、薬用植物の管理の様子を観察しました。
9月24-27日
教室に籠もって、データ解析の続きを行いました。
9月28日
佐賀大学から福岡空港に移動し、帰国の途につきました。
総括
後発開発途上国であるミャンマーでは、試薬供給網未整備のため試薬・機器を使う研究を実施することは、現在、ほぼ困難な状態です。しかし、コンピューターは普及しているので、ゲノム配列データのコンピューター解析なら、ミャンマーで直ちに実施可能です。そこで、本共同研究では、ミャンマーで植物ゲノム研究を実施可能にする体制構築を目指すことにしました。具体的には、ゲノム配列データのコンピューター解析をトレーニングしつつ、無性的に増殖するカンキツのゲノム配列がどう変化するかを共同で調べました。教室に籠もっての解析が多かったのですが、お陰で、興味深い結果が得られました。今後、研究成果を発表していきます。また、今後も、招へい者との共同研究を続けていきます。