2019年度 活動レポート 第81号:滋賀大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第081号

タイの理科教員志望学生を招いて科学体験交流

滋賀大学からの報告

滋賀大学教育学部では、タイのチェンマイ・ラチャパット大学(CMRU)の理科教員志望学生を2019年7月17日~23日の日程で受入れ、「タイにおけるコア・サイエンス・ティーチャー養成に向けての科学体験交流事業」を実施しました。来日者はCMRUの教育学部生7名、理工学部生1名と、引率教員として理工学部教員1名の計9名です。

記念写真

初日にはオリエンテーション後に、滋賀大学で実施しているコア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成事業についての説明を行いました。コア・サイエンス・ティーチャーとは地域の小・中学校理科教員を指導する立場となる学校教員のことで、滋賀大学は2009年にJSTに採択され、10年間CST、准CSTの養成を続けてきています。

科学体験交流の活動として、教育学部において天文分野、化学・生化学分野、環境分野の講義・実験・実習をはじめ、調査艇に乗って琵琶湖水質調査などを行いました。また、福井県の恐竜博物館などを訪問し、化石発掘体験、プラネタリウム体験など幅広い活動を実施しました。

天文分野講義の様子
びわ湖水質調査に向けて出発
化石発掘体験の様子

様々な分野の幅広い活動を通じ、学校教員にとって大切な理科的・論理的思考の重要性、指導者側が気を付けていること、実際の体験を通して学ぶことの大切さ、現場に赴き実際に体験や見るからこそ感じられること、などを学んでもらいました。参加者からは有意義な一週間であったこと、新しい視点を学べたこと、今回学んだことをタイでの教育現場に活用したいという感想が出されました。

化学分野の実習の様子
生化学分野実習の様子

この他に、文化体験、本学学生との学生間交流も行いました。現在の小・中学校現場では、クラスに外国人の子ども達がいることも多く、その中で国際感覚を持ち、学級経営をしていく力をもった教員が求められています。そのため、本学学生達にとっても、今回のプログラムを通じてタイの学生と交流を深めていくことで、言葉が十分に通じなくても交流しあえること、そしてその重要性を実感するとともに、将来の学校現場を見据えた自覚がより高まる影響が見られました。

今回のさくらサイエンスプログラムを実施するにあたり、滋賀大学教育学部ではチェンマイ・ラチャパット大学教育学部および理工学部と新たに覚書を交わしました。プログラム実施の機会を下さいましたJST、関係者の皆様、その他ご協力いただきました関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。