2019年度活動レポート(一般公募コース)第080号
モンゴル高専2・3年生対象のプロジェクト型アクティブラーニング体験プログラム
仙台高等専門学校からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受けて招へいしたモンゴルの3高専(新モンゴル高専、モンゴル科学技術大学付属高専技術カレッジ、モンゴル工業技術大学付属モンゴルコーセン技術カレッジ)の学生10名と教員2名が、2019年8月27日(火)から9月2日(月)まで仙台高等専門学校広瀬キャンパス等で、モンゴルでは行えない様々な実験演習や企業等の見学を体験しました。
まず、広瀬キャンパスで、回路実践講座を体験しました。回路実践講座の流れは、①回路シミュレータによる回路設計実践講座のガイダンス、②回路シミュレータによる回路実践講座、③電子回路製作実習(回路製作Ⅰ、回路製作Ⅱ)を通したマイコンを含む回路設計技術の習得、④自由課題(学生自身のアイデアを盛り込んだ回路を作製するものづくり)、最後にそれらについて発表することを目指しました。
主に回路設計ではマイコン(Ardiuno)を使えるようにするためのシミュレータを用いた実習に重きを置き、それらをベースとして実機にスムーズ移行し動作させることを目的として実習を行いました。
シミュレータは本プログラムが修了して帰国してもWeb環境があれば無料で使用できるものを選択しました。また、理解できないところは本校のアシスタント学生が個別に教えるような体制にして進めました。演習を始めるとプログラムを学んだことがない学生でも例題に基づいてプログラミングし、回路の動作を確認することで、プログラムを習得しておりました。
一通り回路シミュレータの使い方を学んだ後は率先してシミュレータを活用し、実機へプログラムを実装しておりました。予想通りに回路が動作すると学生は笑顔を浮かべ、隣の学生、本校のアシスタント学生や教員に見せてくれました。
本校にはモンゴルからの留学生も在席しており、今回、アシスタント学生になってもらったため、専門用語などの言葉を詳細に通訳してもらうことで学生の理解度がかなり向上したと思います。本さくらサイエンスのプログラムでは非常に短い期間の集中講義でしたが、学生たちは目を輝かせながら熱心に授業を受講し、アイデア溢れた回路を作製し、自由課題で作成した作品を発表しておりました。
8月30日(金)には、大崎市にあるものづくり企業である明治合成(株)、キョーユー(株)、大研工業(株)の三社を訪問し、プラスチック成形や金属の精密加工などのものづくりの現場を見学させて頂きました。プログラムに従って自動運転する加工機械の様子や、その傍らでエンジニアが活躍する様子を目の当たりにし、身を乗り出すようにして説明を熱心に聴いていました。
また、伊藤大崎市長を表敬訪問し、大崎市の特色やモンゴルとの交流の歴史についてのお話を伺い、会社が立地する街についても学びました。8月31日(土)には、仙台市北部にあるスリーエム仙台市科学館を訪れ、日本の最新の科学技術全般に触れる機会も設けました。
モンゴル高専の学生にとって、将来高度な技術者になるために非常に有意義な1週間となったようです。