2019年度活動レポート(一般公募コース)第053号
ものづくりにおける高エネルギー加工技術体験とレーザ溶接に関する共同研究
茨城大学からの報告
2019年7月22日~8月2日の期間で、マレーシア・パハン大学から、引率教員1名、教員1名、学生3名の計5名を招へいして本プログラムを実施しました。近年のものづくりにおいてレーザ加工は身近な生産技術で、自動車部品の軽量化や低コスト化に向けた研究が行われています。茨城大学では、光学系のセットアップと、鉄系材料のレーザ溶接時の接合表面状態に着目して共同研究を実施しました。
7月22日(月)~23日(火)
本プログラムの開会式と実験安全の講習会を開催し、本学の組織や実験の心構えについて説明しました。2日目の昼食のウェルカムパーティで研究室の学生達と顔合わせをした後、茨城大学の日立およびと水戸キャンパスの研究設備を見学しました。また、茨城大学工学部長に本プログラムの趣旨を説明し、共同研究を継続する上でのアドバイスをいただきました。
7月24日(水)~26日(金)
光学系セットアップのトレーニングでは、招へい者たちはミラーなどの光学素子を慎重に動かしてレーザの光軸を調整していました。またレーザ加工装置や光学顕微鏡の操作方法の説明を熱心に聞いて、すぐに自身で操作できるようになりました。
7月27日(土)
お台場の日本科学未来館と東京スカイツリー、浅草寺などを訪問しました。日本科学未来館では、プロジェクターを使った空間情報科学や、ロボット技術に感動しているようでした。また浅草の人の多さに困惑しているようでした。
7月28日(日)
コインランドリーで洗濯をして日立市内を散策しました。
7月29日(月)~31日(水)
29日(月)午後に、材料科学や加工を専門とする教員・学生を加えてグループディスカッションを行い、貴重なアドバイスをいただきました。31日(水)には最終ディスカッションおよび招へい者への認定証授与式を行いました。
8月1日(木)
東海村の大強度陽子加速器施設(J-PARC)と、つくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪問しました。J-PARCの視察では、その規模に驚くとともに、複数の大学や研究機関が研究のために中性子線を利用可能であることに感心しているようでした。
8月2日(金)
最終日は、日本の国民食カレーを堪能して帰国の途に着きました。
プログラムの最後に実施した招へい者アンケートでは、「日本の文化や加工技術に触れることができ、大変貴重な経験でした」との感想が述べられています。学生時代に海外の学生との交流を通して、お互いの文化や考え方に触れることができた今回の経験が、彼らの思考や国際感覚をより発展させるきっかけになれば幸いです。
最後に、このような機会を提供いただきました「さくらサイエンスプログラム」ならびに本プログラムにご協力いただきました、教職員、学生の皆様方には心から感謝申し上げます。