2019年度 活動レポート 第52号:三重大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第052号

科学技術に基づく医学・看護学教育の大学と地域医療現場の双方での体験

三重大学医学部看護学科からの報告

さくらサイエンスプログラムにより、2019年5月26日から6月1日まで、タイ、チェンマイ大学看護学部から7名(1年生6名と引率教員1名)を招へいし、三重大学医学部看護学科を起点に、双方に有益な経験を重ねることができました。

学内では、先ず、三重大学医学部附属病院の手術室、病棟、スキルズラボ(Mie University Institute of Technical Skill Education: MiT)を訪問しました。手術室では、最新の手術ロボット装置(ダ・ヴインチ)等を含めた機器と看護の連携を見学、MiTでは、先進科学技術を駆使したシミュレーション機器を利用した学習コースを体験しました。前年同様、本学での解剖実習見学を組み入れ、フィジカル・アセスメントへの効果的な知見を得る感覚を持つことができました。さらに、附属病院看護部の協力のもと、看護師との交流、院内の先進諸施設を体験できました。

附属病院看護部看護師から小児看護の体験指導(Mie University Hospital)

5月27日(月)

本学は、環境先進性を誇っています。平成19年11月に全学部同時にISO14001認証取得、その後も認証を維持しています。学内の環境・情報科学館と全学図書館にて環境問題についての解説を行うことにより、招へい学生にこの取り組みを理解してもらうことができました。

環境・情報科学館の屋上にて

5月28日(火)

津市の三重大学から、バスで紀伊半島を南下、世界遺産である熊野古道を紹介しながら、公立紀南病院を訪問しました。同院では、本学と連携し各種IT機器を活用した地域医療支援の医学・看護学研修の実践を見学しました。さらに、東南海地震への対策として、院内・地域での災害医療の取り組みについて、同院内科の森本真之助医師から英語による講義を受けました。

このあと、2011年9月に紀伊半島大水害で甚大な被害を受けた紀宝町浅里地区を訪問しました。同地区は、日本の里 百選に指定されていて、災害から7年、元の美しさを取り戻しています。地域住民から当時の状況とその後の復興対応、過疎化の進む地域の医療機関との連携など、直接聞く機会を得ました。

紀宝町浅里地区にて,公立紀南病院 内科 森本真之助 医師から,地域住民の取組の解説を聴く

5月29日(水)

三重県の歴史と文化を学習するため県立博物館を、本学学生とともに見学しました。本学学生は日本の文字の解説を英語で行い、文化と歴史の国際的な経験を深めました。

5月30日(木)

四日市市水沢町を成人看護学の教員とともに訪問しました。県内最大の都市、四日市市に属しながらも、過疎・高齢化の進む地域で、住民の積極的な取組を体験しました。

5月31日(金)

第22回 国際福祉健康産業展 ウェルフェア2019を見学しました。愛知県名古屋市のポートメッセなごやで、毎年、この時期に開催される国際的な福祉・健康関連の展覧会です。今回、近接するJR東海 リニア・鉄道館も訪問し、フル規格でのバンコク・チェンマイ間の日本様式のタイ新幹線敷設の可能性に触れながら見学しました。

第22回 国際福祉健康産業展 ウェルフェア2019を見学
@愛知県名古屋市 ポートメッセなごや

このような交流を通じて、日本への興味が高められ、チェンマイ大学と本学の関係性の深化を期待しているところです。

両大学の学生と教員で交流、自治会によるSpring Special Party
(もうひとつのSSP)のひとこま