2019年度活動レポート(一般公募コース)第043号
ベトナムの高校生が東北大学で最先端科学技術分野の教育・研究を体験
東北大学からの報告
東北大学高度教養教育・学生支援機構は、令和元年7月29日~8月3日の6日間、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて、ベトナム社会主義共和国ハイフォン市のチャンフー特別高校から、2年生3名と引率教員1名を本学に招へいしました。
本学では、全ての教育を英語で行う国際学位プログラム(Future Global Leadership (FGL) program)で、2011年から世界各地の優秀な高校生のために理工系分野(理学、工学、農学)で3つの国際学士コース:“Advanced Molecular Chemistry (AMC)、International Mechanical Aerospace Engineering-Undergraduate (IMAC-U)、Applied Marine Biology (AMB)”を提供していますが、今回招へいした高校生は、このプログラムが昨年度実施した”FGL Challenge in Vietnam: Video Contest”というイベントの優勝チームメンバーです。
来日初日、ベトナムから先生が同行しているとはいえ、羽田から仙台まで無事移動できるのか不安に思いながら仙台駅新幹線改札口で一行の到着を待ちました。しかし、いくら待っても姿が見えません。結局、列車到着時刻の30分ほど後、駅の全く違う出口で途方に暮れていた彼らと会うことができました。このような滑り出しでしたが、来日中の『トラブル』(?)というのは、この1回だけで、その後は全ての活動をスムーズに実施することができました。
来日2日目と3日目は、FGL3コースのキャンパスを訪問、それぞれのコースの概要説明を受けた後、現役FGL生の案内で、全国でも有数の規模を誇る「東北大学オープンキャンパス」を多くの日本人学生とともに参加しました。「オープンキャンパス」は、まさに「本学のショーケース」ともいうべき機会で、彼らも国際学士コース以外の教育・研究施設や学生支援施設も訪問することができました。
招へい高校生のビデオコンテスト作品のテーマは「プラスチック製品による海洋汚染問題とその対策」でしたが、4日目には、そのテーマに関連して仙台市葛岡にある仙台市ゴミ処理プラントを見学し、ゴミの分別収集、処理技術、さら再利用方法について学びました。
その後、2011年の東日本大震災において壊滅的な被害を受けた宮城県沿岸部の津波被災地域を見学、震災遺構・荒浜小学校で震災当日の状況、被害について学んだほか、復興事業の一環として、新たに設立された復興商店街、最新技術を用いた「海産物養殖研究所」なども見学しました。荒浜小学校では、校舎に残る津波の生々しい傷跡や、被災当日のビデオ映像などに衝撃を受けた様子でしたが、その甚大な被害から多くを学び復興の道を歩む日本人の姿勢にも感銘を受けた様子でした。
本学訪問の最終日、8月2日午前には、東北大学副学長でグローバルラーニングセンター長でもある山口昌弘先生を表敬訪問し、午後は、訪問を通して学んだことや仙台や本学の印象について3人でスライド発表をした後、修了証書授与式、茶話会を行いました。これら行事には、ベトナムの高校で彼らに日本語を教えていた藤原先生が神戸からわざわざ参加くださり、より思い出深い機会となりました。