2019年度 活動レポート 第34号:山梨大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第034号

日中グローバル人材育成のためのAI・UI先端技術研修

山梨大学からの報告

令和元年6月2日~6月8日、さくらサイエンスプログラムの支援により、中国・杭州電子科技大学計算機学院の学部生10名と引率教員1名を山梨大学工学部コンピュータ理工学科に招へいしました。

山梨大学大学院医工農学総合教育部工学専攻コンピュータ理工学コースは、2018年9月に交流協定校である中国・杭州電子科技大学計算機学院と修士ダブルディグリープログラムをスタートさせています。このプログラムは、近年急速な発展を遂げている人工知能分野において両国の架け橋となり、産学界を牽引できるような人材を両大学が協力して育成することを目指しています。本招へいの目的は、杭州電子科技大学計算機学院の優秀な学部生を受け入れ、山梨大学の先進的な研究事例を視察してもらうことで、本ダブルディグリープログラムへの受け入れを促進することです。

6月2日

午前中に大村記念館にて山梨大学の歴史や概要の説明と代表的な研究の紹介を受けた後、午後は日本文化の体験例として、柔道のレッスンを受けました。柔道の基本技だけでなく、礼の精神と作法についても学ぶことができ、相手を思いやり、敬意を払う日本文化の心に直に触れてもらうことができました。

柔道体験レッスンの様子

6月3日午前

午前中は深層学習セミナーを実施し、演習を交えながら、深層学習の基礎知識を学びました。積極的に質疑が飛び交い、全員真剣に演習課題に取り組みました。

深層学習セミナーにおいて教員とTAの指導を受ける様子

6月3日午後-4日午前中

「観光をより楽しくする未来のIT」をテーマとするフィールドワークを実施しました。杭州電子科技大学の学生10名と本学学生12名で計5チームを混成し、初日午後は甲府市内に出かけ、文化史跡や観光スポットなどを見学しながら、アイディアを出し合い、発表に使用する写真素材を集めました。翌日午前中はチームごとに独自のテーマについて討論し、その提案をスライドにまとめてプレゼンを行いました。実際に、自動翻訳やVRを活用したユニークなアイディアが多数発表されました。双方の学生にとって、言葉の障壁を超え、チーム一丸となってタスクを遂行する能力を修得する貴重な機会となりました。

フィールドワークでは混成チームごとに発表準備

6月4日午後

本学の研究室訪問を実施しました。各々の興味に合わせて、コンピュータビジョン、自然言語処理、ニューラルネットワーク、VR/ARを専門とする4つの研究室に分かれ、TAの学生から実際の研究内容の説明を受け、今後の研究方向について意見交換を行いました。研究レベルの高さだけでなく、アットホームな研究室の雰囲気にも驚いたようでした。

自然言語処理研究室で研究紹介を受ける様子

6月5日

山梨県内にあるNECプラットフォームズ株式会社甲府事業所とシチズン電子株式会社を見学しました。NECプラットフォームズ甲府では、スーパーコンピュータやPCサーバーなどの製品を製造しており、見学では生産ラインの合理化により、個々のユーザの要求に合わせて仕様をカスタマイズできるPCサーバーの生産を可能にした取り組みが紹介されました。また、シチズン電子では世界最小クラスの赤外LEDの紹介に学生たちはたいへん驚いていました。日本のモノづくり技術の高さと底力を見てもらうことができました。

シチズン電子での世界最小のLEDの説明

本事業に参加した学生のなかから複数の学生がダブルディグリープログラムあるいは本学の修士課程への進学に関心を示してくれました。一方、今回の招へいに際し、TAを含め計40名以上の本学学生が交流活動に参加しました。その誰もが英語を話す苦手意識を払拭し、国際交流により積極的になってくれたようです。