2019年度活動レポート(一般公募コース)第032号 (Aコース)
NTUT(国立台北科技大)の学生を受け入れてのgPBL
芝浦工業大学 機械工学科からの報告
2019年5月27日(月)~6月2日(日)の7日間、台湾のNTUT(National Taipei University of Technology 国立台北科技大学)の学生10名(学部4年生および修士1年生)と教員1名(Ti Lin助教)を、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて日本に招へいし、本学からの参加学生16名(研究室所属の学部4年生および修士学生)とともにgPBLを実施しました。PBLとはProject (Problem) Based Learning(課題(問題)解決型学習)の略で、本学では国際間で行うPBLをgPBLと呼んでいます。NTUTとはこれまで3年間、受け入れ型、送り出し型gPBLを行っており、受け入れ型gPBLとしては今回が2回目となります。
本プログラムのメインは、NTUT学生に本学の各研究室にそれぞれ配属してもらい、研究課題を与えて本学学生と協力して実験やシミュレーションを実施するというものです。今回gPBLを実施したのは、流体力・流体現象応用研究室、熱流体理工学研究室、光エネルギー工学実験室、生物微小流体工学研究室の4研究室です。Welcome Partyではまだぎこちない様子だった両大学の学生たちも、チームを組んで研究課題を始めると、すぐにコミュニケーションにも慣れ、協力して作業を進めていました。
また本プログラムの実施期間中には、NTUTおよび本学教員による合同講義や日本企業への見学なども実施しました。NTUTから学生を引率して来られたTi Lin先生のご専門は空調や屋内環境制御です。日本ではこれらの技術は建築分野に分類されることが多く、機械工学分野の学科や専攻で学ぶ機会が少ない分野です。空調・冷凍機の熱サイクルに関する講義では、内燃機関等とは一味違った熱サイクルに関して、学生たちも大いに興味を示していました。
日本企業への見学としては、株式会社大林組技術研究所、三菱ふそうトラック株式会社川崎本社工場を訪問し、建設業、製造業という全く異なる業種の企業を見学することができました。大林組技術研究所では、省エネ空調技術、免震・制振技術や建設ロボットなど最先端の技術に触れることが出来ました。三菱ふそうトラックは、現在ダイムラーベンツのグループ企業として国際化が進んでいます。トラック組み立てラインの見学とともに、欧米風のオフィスで様々な国籍の技術者が設計に携わっている様子なども見ることが出来ました。
最終日前日の6月1日には、各学生が配属先研究室で実施した研究成果についてプレゼン形式で報告してもらいました。いずれの課題についても、NTUT、本学相互の学生から熱心な質問やディスカッションが行われました。
最終日はNTUTの学生は帰国便が午後だったため、午前中に日本科学未来館を見学するなど、日本での滞在を満喫してもらえたようです。
本年度も、8月には本学学生をNTUTに送り出し、台湾でのgPBLを実施する予定です。一連のプログラムを通じて、学生たちの国際的な交流を促進できたのではないかと思います。本プログラムでの経験を参加学生たちの将来にぜひ生かしていってほしいと思います。