2019年度 活動レポート 第29号:東京大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第029号 (Bコース)

環太平洋の地震・津波・火山噴火頻発域における災害軽減を目指した共同研究

東京大学地震研究所
木下 正高さんからの報告

2019年6月17日から7月7日までの3週間、さくらサイエンスプログラムにより、アジア各国から11名(内1名は本所の負担)の学生を受け入れ、インターンシッププログラムを実施しました。順調にプログラムは終了し、学生および受入教員の双方にとって意義のあるプログラムとなりました。

到着~研究開始

インド、インドネシア、シンガポール、台湾、中国からの11名の学生たちは、6月17日に全員が無事来日、6月18日にオリエンテーション(木下および国際室による地震研概要説明)および地震研究所ラボツアーを行いました。

滞在中、学生たちは受入教員のもとそれぞれの研究に従事しました。研究テーマは、「2015年ネパール地震と余震の遠地実体波インバージョンによる震源過程の推定」、「台湾における複数断層セグメント破壊の可能性」、「数値表層モデルによる合成PKiKPフェーズの計算と内核構造分析」、「溶岩流の形態に影響を与える要因:伊豆大島の例」、「畳み込みニューラルネットワークを用いた日本の地震検知と分析」、「測地学的手法により計測した三宅島火山の変形」、「2016年のM6.5ピディ・ジャヤ地震における断層の不安定性と静的クーロン破壊応力変化の解析」、「MT法によるインドネシア・パパンダヤン火山の比抵抗構造の研究」、「周波数ベッセルスペクトログラムに基づく周波数領域の相互相関関数の作成」、「RIアルゴリズムに基づいた中国地域の地震予測」、「極細粒かんらん石(FoEn1.5)の高温による変形」などでした。

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地震研究所での研究活動

富士・箱根巡検(6/22–23)

富士・箱根・丹那断層へのバス巡検を行いました。富士山太郎坊から宝永火口に向けて登山し、宝永噴火によるスコリア堆積物を見学しました。

その後、朝霧高原にて単成火山の説明を行った後、本栖湖に向かい、青木ヶ原樹海の溶岩と西湖の蝙蝠孔を見学し、続いて鳴沢の溶岩樹形を見学しました。2日目は、仙石原の箱根ビジターセンターにてジオラマを前に、温泉地学研究所の萬年氏から、箱根火山についての解説、その後シアターにてPPTによる講義を聴講しました。午後は、箱根関所見学後、丹那断層からオラッチェ酪農王国に移動して、断層・丹那盆地を俯瞰しつつ、盆地の成因や断層の連なりと地形への反映の様子を見学し、ジオガイドの方から説明を受けました。

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富士箱根巡検:富士山五合目での地層観察

ちきゅう見学(6/29)

清水港で、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」に乗船し見学しました。

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地球深部探査船「ちきゅう」乗船見学

タイ・マヒドン大学からのさくらプログラム参加者との交流(7/3)

さくらサイエンスプログラムにより海洋研究開発機構で研修中のタイ・マヒドン大学の学生12名を迎え、地震研にて交流会を行いました。

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タイ・マヒドン大学からのさくらサイエンスプログラム参加者との交流

ポスター発表、修了証授与式(7/4)

ポスター発表会にて研究の成果を発表し、続いて行われた修了証授与式にて地震研究所所長から修了証が授与されました。

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ポスター発表

日本科学未来館見学(7/6)

日本科学未来館を見学し、日本の最先端科学に触れる機会を得ました。

3週間のプログラムを無事終えた11名は、7月7日に離日しました。