2019年度活動レポート(一般公募コース)第008号
国際PBLプログラム「デザイン思考を用いた農業問題に対する解決方法の提案」
大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部からの報告
活動概要
大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部は、さくらサイエンスプログラムのご支援のもと、本学の協定校であるマレーシア、サバ大学(Universiti Malaysia Sabah: UMS)から教員1名、学生10名の計11名を招へいし、2019年6月10日から6月14日までの5日間、国際交流プログラムを実施しました。
テーマを「デザイン思考を用いた農業問題に対する解決方法の提案」とし、本学とサバ大学の学生から構成される4つのグループを結成して、それぞれのグループで解決すべき課題の設定からその課題解決方法の提案までをデザイン思考のプロセスに沿って行いました。
短いプログラム期間内で質の高い提案を行うために、本プログラムが始まる前にUMSの学生はマレーシアの農業課題に関して、本学の学生は日本のスマート農業に関して調査を行い、プログラム初日に調査結果の紹介プレゼンを行いました。お互いの調査結果を参考にして前半は各グループで取り組むテーマ(課題)の決定及び解決方法について話し合いました。
3日目に行ったエクスカーションではヤンマーホールディングス株式会社様の最新農業技術を見学させて頂きました。後半はその内容も参考にしてプロトタイプを作りながら最終発表への準備を行い、最終日に行われた発表会で各グループが提案を行いました。なお、全てのコミュニケーションは英語で行われ、発表も英語のみで行いまいた。プロトタイプは時間の関係上、段ボールを用いたものが多かったですが、一部のグループでは3Dプリンタを使ったパーツの作成や、マイコンを使った動くものを試作しました。
活動スケジュール
<初日>
開会式や本学のいくつかの研究室紹介の後、グループ分け(UMS学生、本学学生の混成チームを計4グループ編成)を行い、活動の概要説明を行いました。その後UMSの学生からマレーシアの農業問題について、本学の学生から日本のスマート農業についての調査結果の発表を行いました。
<2日目>
デザイン思考の手法に則って、ターゲットユーザ及び課題を設定し、できるだけ多くの解決方法を出し合いました。出した解決方法の中でどれが良いか、明確な理由をつけて決定し、手法に必要な技術の調査を行いました。
<3日目>
前日に決定した解決策について、使う技術も含めてシステムとしてどのように構成すべきかを話し合い決定しました。外観も含めて考え、本当にユーザの役に立つのか、ユーザ中心の視点で解決案を見直しました。
<4日目>
両校の教員及び学生全員でエクスカーションとして、ヤンマーホールディングス株式会社様の最新農業技術を見学させて頂きました。トマトの甘さ及び大きさの自動分類器や室内栽培用の光のことなど自分たちの提案に含まれる技術もあり、非常に参考になりました。
<最終日>
最終準備を行い、夕方から発表会を行いまいした。各グループはスライドによるプレゼンテーションとプロトタイプの説明を行い、学生と教員によるディスカッションを行いました。その後、閉会式に移り、修了証の授与等を行い、本プログラムを閉じました。
参加学生からの感想
普段英語によるコミュニケーションをとっていない日本の学生はプログラムが始まる前から英語の勉強を行い、本プログラムに臨みました。始めは緊張していたものの、始まってみると何とか意思疎通を行い、真剣に、そして楽しそうに議論やプロトタイプを作っていました。両校の学生からは、このプログラムについて、コミュニケーションスキルや技術的なスキル向上が感じられた有意義なプログラムだったという意見が多く得られました。また、両校学生からは、もう少し続けさせて欲しかったとの意見も多数あり、今後の研究のモチベーション向上につながるプログラムでした。