2019年度活動レポート(一般公募コース)第007号
中国の高校生が防災・減災から環境の大切さを学ぶ
桜美林中学高等学校からの報告
さくらサイエンスプログラムにより、中国北京市にある「北京陳経綸中學」の高校生10名が2019年7月13日から19日にかけて訪日し、日本の最先端の科学技術を学びました。
研修の見学先として「東京臨海広域防災公園 ソナエリア東京」や「日本科学未来館」を訪れました。「東京臨海広域防災公園 ソナエリア東京」では、地震後、生命のデッドラインと言われている72時間をどのように生き残るのか、また具体的な生き延びる術を学びました。「日本科学未来館」では、中国の科学技術と日本の科学技術の比較を見学中、積極的に生徒間で意見交換を行っていました。
日頃、環境汚染については意識の高い生徒たちも、地震をほとんど経験したことが無く、地震や津波などの災害に日本がどのように取り組んでいるかなど大変興味深く感じたようです。
見学地で得た知見をさらに深めるため、桜美林大学リベラルアーツ学群の森 厚教授・片谷教孝教授、桜美林高等学校の落丸武彦教諭の協力のもと、陳経綸中学の生徒たちは防災や環境問題についてさらに学びを深めました。
森 厚教授の「地球温暖化と気象災害」と題した2時間の講義・実験では、日本の異常気象、近年の中国における気候変動などの要因を具体的な天気図をもとに学び、気圧の変化について実験道具を使い、理論的また具体的に理解を深めることができました。
片谷教孝教授の「日本の災害体験と原発事故経験」「東日本大震災の被災状況と復旧・復興過程、およびそこから学ぶこと」「災害が起きるしくみに関する実験」「日本の大気汚染の歴史と現状」と題した4時間の講義・実験では、東日本大震災の当時の具体的な状況を写真や動画を見ながら学び、地震の怖さや影響などについて、実際に実験をしながら体験することができました。
落丸教諭の「光化学オキシダント(オゾン)に対する植物の応答」と題した2時間の講義・実験では、環境汚染を実際に知るために、朝顔を指標にして理論的な基礎を学び、オゾンによる影響について実際に実験を行い確認しました。また、中国においては何を指標にすべきかを生徒たちは議論していました。受講した陳経綸中学の生徒たちは、防災や環境問題について学びを深めました。
帰国前日の7月18日には、桜美林中高の教職員・陳経綸中学校の教職員約100名を前に、「さくらサイエンス」での研修成果を行ないました。桜美林高校からも東日本大震災の復興支援を継続的に行っている「さくらプロジェクト」のメンバーによる、地震による減災などについての研究成果の発表を行いました。
陳経綸中学からは、具体的に北京市における環境改善に向けての具体的なプランとして報告、発表がありました。