2018年度活動レポート(一般公募コース)第433号
ネパールと日本における国際保健医療での科学技術交流の強化
聖路加国際大学からの報告
聖路加国際大学は、2019年2月25日〜2019年3月4日さくらサイエンスプログラム「科学技術体験コース」によりネパール連邦民主共和国の国立トリプバン大学医学部臨床微生物・公衆衛生研究分野とラ・グランディ国際カレッジ公衆衛生分野からの引率者(2名)ならびに学生・研究者(8名)を招へいしました。
この科学技術交流の目的は、次世代の若手学生や研究者とのコミュニケーションを通し、国際保健医療分野の地球規模課題を解決へ導くための研究協力関係を促進するだけなく、両国間の知見や経験を共有することでした。この科学技術交流で実施されたセミナーや講義の中で、有意義な議論や意見交換が行われました。
受け入れ機関である聖路加国際大学では、国際保健医療に携わる講師による「Global Health Nursing (Nutrition)」や「国際保健医療での科学技術政策プロセス」等の講義を受け、国際的な栄養に関わる問題や日本における科学技術政策の理解を共有することができました。受け入れ機関病院見学では、日本人スタッフや学生との交流もできました。
受け入れ協力施設である国立国際医療研究センター(国際協力局)は歴史的にネパールとの連携があります。国際協力のカウンターパートなっているため、一方的な技術移転ではなく、現在の両国における国際保健の課題や現状を確認することができました。この相互的知識の共有は、信頼的なネットワーク構築し今後の研究活動を促進する機会となりました。
また、G20や大阪万博開催を迎える西日本では、兵庫県立大学地域ケア開発研究所と国立病院機構近畿中央呼吸器センターを訪問し講義を受講しました。西日本の自然災害経験や活動だけではなく新興・再興感染症の保健医療体制が理解でき、日本の経験や知見を国際社会へ共有できる交流となりました。
社会的貢献を行っている民間(一般社団法人 ジェイアイジーエイチ/メディフォン 株式会社)、財団(笹川平和財団 海洋政策研究所)を訪れ、国際社会化する日本の現状課題(多言語遠隔医療通訳事業)や水資源に関する課題解決のための取り組み(Clean water)等の社会的価値を理解することができました。
これらの科学技術交流を行ったことで、学際的インパクトである日本の最先端の科学技術に対する理解深化・知識向上・ネットワーク促進への機会を得ることができました。さらには招へい国の優秀な学生や引率者の理解ならびに関心を促進する貴重な機会に繋がりました。招へい者よりこの交流事業の満足度は、100%であったとご意見いただけました。