2018年度 活動レポート 第417号:中央大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第417号

IoTの応用によるベトナム製造企業の国際競争力強化に関する共同研究

中央大学理工学部からの報告

さくらサイエンスプログラムにより、2019年1月20日~1月27日の日程でベトナム国家大学ハノイ校経済経営大学の学生・院生を招へいし、科学技術体験プログラムを実施しました。

本事業で受入れたベトナム国家大学ハノイ校経済経営大学の学生・院生(修士課程および博士課程)・研究生計10名は、引率のグエン・ダン・ミン教授の指導の下に取り組んでいる「メイド・イン・ベトナム」リーンマネジメント研究グループに所属しており、ベトナム国内の日・越両国の企業に対して、国際競争力強化と持続可能な発展を推進するために、特にIoT(モノのインターネット)・インダストリー4.0を応用する研究に従事しています。

オリエンテーション後の集合写真

経済発展のめざましいベトナムにおける工業製品の生産を念頭に置いた「メイド・イン・ベトナム」に関して、近年のIoTならびにその製造業への応用としての第4次産業革命・インダストリー4.0の概念を応用するための方策について、ベトナム国家大学の院生・学生に習得してもらうため、中央大学理工学部経営システム工学科では、IoT・インダストリー4.0実験設備を用いて、特に生産システム・シミュレーションへの応用について講義・演習を実施しました。

さらに、経営マネジメントのツールとして広く活用されているSAP(ERP(基幹業務))システムや生産システムのシミュレーション分析に関して、受入れ学生は当該実験設備を用いた実習を通して、生産システムへのIoTの応用について学習し体験することができました。

IoT・インダストリー4.0生産ラインによる授業

実施期間中、わが国における先進的な導入事例として、三菱電機㈱名古屋製作所のe-F@ctory工場、および ㈱FUJIのIoT導入工場に訪問見学し、招へい者は、実際の応用について理解を深めることができました。また、日本科学未来館の見学も、招へい者が感銘を受けたと感想を述べていました。

三菱電機㈱にて
㈱FUJIにて

そして、2019年1月26日(土)に、招へい者は研究成果報告会での発表に続き、中央大学にて開催された国際シンポジウム「IoT・インダストリー4,0環境下における製造業のパラダイムシフト」に参加して、日本をはじめアジア各国の講演者および参加者との討議に参加し、さらにた。本テーマについて理解を深めることができました。

研究成果の発表

本事業を終えて、招へい者全員が再度受入れ機関への訪問ならびに共同研究の推進を希望するなど、多大な成果を挙げることができました。今後の共同研究を遂行するために、近い将来、実施主担当者がベトナム国家大学を訪問し、共同研究を発展させることにしています。今回の実施では、特に交流計画テーマと深い関連がある中部地方の2社の工場訪問を実施することができたことは大変有効であり、招へい者は現地での見学ならびに討議を通して知見を広げることができました。

また、受入れ機関のスタッフとして参加した院生・学生にとっても、招へい者の熱心な研究ぶりに刺激を受けたことも収穫でした。貴重な機会を与えていただきました「さくらサイエンスプログラム」に感謝致します。