2018年度 活動レポート 第385号:芝浦工業大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第385号

日本・ミャンマーの学生が共同学習する実習プログラム

芝浦工業大学からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援をうけ、2019年1月23日~1月30日で、芝浦工業大学大宮キャンパスに、ヤンゴン大学(UY)より大学院学生7名、引率教員1名、ヤンゴン工科大学(YTU)より学部学生7人、引率教員1名を招へいしました。本プログラムではヤンゴンの2大学に加え、本学システム理工学部の学生16名が加わり、組み込み制御システム(Embedded Control Systems、以下ECS)に関して、実習を伴いながら、課題解決型学習 (Project-Based Learning)に取り組みました。

オープニングでの集合写真

システム理工学部では2017年度から国際コースを設置し、このコースに所属する学生は留学を含む32単位以上の英語認定科目の取得が必須であることから、本プログラムはこれら英語認定科目の一つとして用意されたものです。日本の学生とミャンマーの学生が1対1あるいは2対2のチームを構成し、英語を共通言語として用いて工学的な実習に取り組むことにより、国際的なコミュニケーション力を養うことが非常に重要であると考え、今回企画の実施となりました。

アイスブレーキング

ECSはIoT、AI自動制御などに通じる重要な基盤技術であり、今回ハードウェアはレンセラーメカトロニクスキット (https://homepages.rpi.edu/~hurstj2/)、ソフトウェアはMATLAB®/SIMULINK®を用いました。このキットにはマイクロコントローラとなるArduino®ボード、DCモータ、各種センサ類等が部品として用意されており、これらを自在に組み合わせることにより、モータ制御系、倒立振子、ライントレーサを構成できます。MATLAB/SIMULINK®は制御系解析・設計、シミュレーションを行う最もポピュラーソフトウェアであり、両者を組み合わせることにより、各種モータ制御系が簡単に構成でき、これらを制御するプログラムを試行錯誤しながら開発を行いました。具体的な、内容は以下の通りです。

1月23日 成田空港到着、ホテルチェックイン、オープニング、ガイダンス、アイスブレーキング
1月24日 MATLAB/SIMULINK®入門、 Arduino®プログラムミングの基礎
1月25日 ECSの概要、センサおよびモータの解説、特性試験に関するプログラム作成、確認実験
1月26日 モータ制御系の解説、制御プログラム作成、確認実験
1月27日 東京都内施設視察、鎌倉観光
1月28日 最終課題説明、ライントレーサの解説、走行プログラム作成、走行試験
1月29日 最終発表、ライントレーサによる競技会、クロージング、フェアウェルパーティ
1月30日 ホテルチェックアウト、成田空港出発、帰国

最終課題は、参加学生を7組の日本・ミャンマー混成チームに分かれ、各チームごとにライントレーサによる走行プログラムを開発し、課題コースをいかに最速で走行できるかを競いました。競技会前の最終発表では開発したプログラムについての概要を解説し、優れている点、工夫した点、独創的な点、競技会の勝算などについて報告しました。

実習風景

競技会では各チームは競技結果に一喜一憂しながら、盛況に終えることができました。1週間足らずの短い期間ではありましたが、各チームが少人数構成であり、参加者一人一人が人任せにできず、積極的に取り組まなければならない状況にしたことで良い化学変化を生み、両国の学生達は非常にチームワーク良く、最終課題まで精力的に取り組むことができたと考えます。

ライントレーサによる競技会

フェアウェルパーティでは、競技会の優勝チーム、準優勝チームの表彰を行った後、会食しながら両国の文化を紹介し合ったりし、両国の学生達はより友情を深めることができました。今後は、本学大学院留学、研究交流などに関係が発展していくことを期待しています。

両国学生入り交じってのミャンマー舞踊