2018年度 活動レポート 第381号:ひろしま国際センター

2018年度活動レポート(一般公募コース)第381号

重慶市高校生との科学技術交流プログラム

ひろしま国際センターからの報告

(公財)ひろしま国際センターでは、「さくらサイエンスプログラム」により、四川省重慶市の教科文国際交流センターの推薦を得て、科学技術分野(特に農業科学と農業技術)に関心を持つ重慶市内の高校生10名及び引率教員1名を招へいしました。

招へいした高校生は、重慶市の重点校5校の日本の科学技術分野に高い関心を持つ成績優秀者で、日本の農業科学技術を支える研究機関や教育現場(高校・大学)の視察や学生交流を熱心にかつ精力的に行いました(2018年12月12日~18日、7日間)。

 

12月12日

夜8時過ぎに、11名が広島空港に到着しました。

12月13日

(1) オリエンテーション、開講式

ひろしま国際プラザの研修室で、オリエンテーションを行った後、開講式を行いました。

(2) 日本語授業

日常生活で使う、初級者レベルの日本語を、中国語を交えながら楽しく学びました。

(3) 国立大学法人広島大学

先端物質科学研究科を訪問し、研究科長から先端研で行っている研究についての講義を受けた後、質疑応答を行いました。その後、2班に分かれ、研究科の学生たちの指導を受けながらバイオテクノロジーに関する実験に参加しました。

(4) 広島大学宇宙科学センター附属東広島天文台

宇宙科学センターを訪問し、センター長から様々な謎に満ちた広大な宇宙についての講義を受けた後、国内に設置されている望遠鏡としては4番目の大きさを誇る1.5m光学赤外線望遠鏡「かなた」で観望を行いました。短い時間だったけど、月の表面を観測できて、高校生たちはとても興奮していました。

東広島天文台にて

12月14日

(1) アヲハタジャムデッキ

アヲハタジャムデッキを訪問し、同社のジャム作りの特長や衛生管理などの取り組みについて説明を受け、ジャムづくり体験や工場を見学しました。

(2) ホームビジット

東広島市地域の伝統的な造りの赤瓦家屋を訪問し、中国と日本に共通する書道の話で盛り上がってました。和風の庭がある日本家屋にとても興味をもっていました。

(3) 日本文化体験(浴衣の着付け)

ひろしま国際プラザの研修室で浴衣の着付けを体験しました。

アヲハタジャムデッキにて

12月15日

(1) 広島大学大学院生物科学研究科 附属瀬戸内圏フィールド科学教育センター

広島大学竹原ステーションを訪問し、瀬戸内海に生息する生き物についての講義を受けた後、船に乗って海洋実習を行いました。海のない地域から来た高校生たちなので、みなとても興奮していました。その後、室内に戻って、カニの解剖実験を行いました。

(2) 広島平和記念公園

平和記念資料館を見学した後、原爆の子の像、原爆ドーム、爆心地を見学し、戦争の悲惨さと平和の尊さを学びました。

海洋実習にて

12月16日

(1) 宮島

日本三景の一つで世界遺産でもある宮島を訪問し、厳島神社を拝観しました。

(2) 宮島水族館

宮島水族館を訪問し、バックヤードツアーを体験しました。

12月17日

(1) 広島県立総合技術研究所農業技術センター

同センターの果樹研究部を訪問し、カンキツやブドウの生産に関する先端技術や研究についての講義を受け、カンキツ試験圃場を見学後、メイン栽培しているミカンの収穫体験をし、みなでいただきました。とても甘くておいしいと喜んでいました。

(2) 広島県立西条農業高校

日本、中国そしてフィリピンの3カ国の高校生による交流を行いました。各自自己紹介の後、3カ国の生徒を交えた4グループに分かれて、ワークショップを行い、グループ毎に発表しました。

農業技術センターにて

12月18日

広島空港を9時過ぎの飛行機で、上海経由で重慶市に無事帰国しました。

本プログラムに参加した重慶市の高校生および引率の先生からは、「忘れられない素晴らしい体験ができた」、「ぜひまた日本に来たい」などの感想が聞かれました。中国の青少年のみなさんは、日本に対する理解を深め、広島と関係の深い四川省・重慶市とのさらなる友好関係の促進ができたのではないかと思っております。

今回のプログラムにご協力いただいた各機関をはじめ、受け入れにご支援をいただいた「さくらサイエンスプログラム」に感謝申し上げますとともに、今後ともこうした機会をアジアの多くの青年たちが体験できるよう、期待しております。