2018年度活動レポート(一般公募コース)第375号
先端的ナノおよび超分子化学に関する日韓科学技術交流プログラム
東邦大学からの報告
今回のさくらサイエンスプログラムでは韓国国立慶尚大学校(以下GNU)と東邦大学の2大学間合同シンポジウムでの発表、およびそれに続く一連のプログラムを行いました。8名の優秀な大学院生を韓国から招へいすることができ、成功裏にシンポジウムを終了することができました。また、本学の大学生および大学院生にとって英語で発表する機会を持てたことは今後の研究ばかりでなく国際化の一助となるのではないかと感謝しております。
2月22日
午後4時に成田空港に迎えに行きました。GNUの教員5名と大学院生8名が来日しました。貸し切りバスにてホテルに向かい、歓迎会を行いました。
2月23日
合同シンポジウムを開催しました。SSH関連高等学校の生徒とその引率教員38名も招き、教員、大学院生、および高校生による19件の口頭発表と大学院生と高校生による69件のポスター発表が行われました。この合同シンポジウムは通常の学術シンポジウムとは異なり、高校生にも発表する機会を与えているのが特徴です。国内のSSHならびに関連高等学校(市立千葉、県立佐倉、県立千葉東、県立薬園台、文京女子大学女子高等学校)から高校生と教員合わせて38名を招待しましたが、自分の研究を発表する機会がまだまだ少ない高校生にとっても貴重な経験をしたのではないかと考えています。
シンポジウム後にいただいた高等学校の教員からのお礼状の中に「化学には高校の教科書には書かれていない多くの分野があり、英語が理系の世界でも普通にコミュニケーションツールとして使われていることに生徒たちが刺激を受けたようだ」とのことが書かれてありましたが、まさに私たちの意図が高校生に伝わったことに大変大きな喜びを感じている次第です。
2月24日
国立科学博物館を訪れた後、徒歩にてかっぱ橋道具街を経て浅草寺に向かいました。
2月25日
午前は日本科学未来館を訪れた後、千葉工業大学新習志野キャンパスを訪問し、すべての実験台がドラフトで覆われている学生実験施設を見学しました。
2月26日
日本大学生産工学部の3研究室(機能性高分子・酵素化学、生体機能関連化学、微生物学・臨床検査学・バイオ工学)と東邦大学の機器室やメディアセンターを見学したのち、翌日のプログラムの打ち合わせを行いました。
2月27日
午前はフリーな時間とし、午後から東邦大学にて透過型電子顕微鏡および3Dプリンター実習、三原色LED組み立て実習、および分子モデリング実習を行いました。
2月28日
雨模様の中、成田山新勝寺と成田山公園を散策したのち成田空港から帰国しました。
最近、日韓両政府の間の関係は最悪の状況ですが、そんなことは全く関係なく2大学間の良好な関係を保ち続けることのきっかけにもなったと考えています。また、前回のさくらサイエンスプログラム実施によって韓国でもトップクラスの若手研究者をJSPS海外特別研究員として呼ぶことができたように、今後も優秀な人材の招へいにこのプログラムを活用していきたいと考えています。