2018年度活動レポート(一般公募コース)第372号
タイ・チュラーロンコーン大学およびシーナカリンウィロート大学の学生と
機能性材料に関する共同研究を実施
東京理科大学からの報告
11月18日~12月8日の21日間、さくらサイエンスプログラムの支援により、タイ・チュラーロンコーン大学およびシーナカリンウィロート大学から教員1名、大学院生5名が東京理科大学理工学部先端化学科湯浅・近藤研究室に滞在し、共同研究を実施しました。
本プログラムでは、光触媒および導電性ダイヤモンドなどの機能性材料に関する共同研究活動を実施することを目的としています。光触媒は我が国発の科学技術のひとつであり、またダイヤモンド関連の研究についても我が国の国際的地位は高いため、本交流を通してこれらの機能性材料研究をはじめとする最先端研究に触れることにより、日本での活動に対する意欲が高まり、日泰間の科学技術交流を担う人材となってもらうことを目的としています。
来校初日に、招へい者らと湯浅・近藤研究室のメンバーとの間で研究内容紹介を含めたお互いの自己紹介を行い、その後に歓迎会を実施しました。タイの方たちの名前は私たち日本人にとってなかなか覚えづらいのですが、タイの方たちは必ずそれぞれニックネームを持っており、そちらはすぐに覚えることができました。そのおかげで歓迎会にて大いに懇親を深めることができました。
翌日からは金属ナノ粒子修飾ダイヤモンド電極を用いた水溶液中有機物の高感度検出に関するテーマを中心に共同研究を開始しました。今回の招へいは2年目となるため、1年目に開始し、その後継続していた共同研究をベースとしています。招へい者側も当研究室の研究設備や研究のバックグラウンドをよく理解しているため、スムーズに実験を始めることができました。
プログラム期間中の11月26日には、日本科学未来館および浅草を視察し、日本の技術や文化に触れる体験をしました。12月3日には、招へい者であるシーナカリンウィロート大学のProf. Weena Siangprohに、修飾電極を用いた電気化学分析に関する特別講義をしていただきました。
帰国前に、研究室メンバーとともに共同研究の成果報告会を行いました。招へい者側の大学院生が実施した2件の共同実験テーマに関して、それぞれ得られた新規データを発表してもらい、その内容に関して活発な議論を行いました。基礎的なデータが得られましたので、それを発展させるべく引き続き共同研究を継続することになりました。
本プログラムで招へいした大学院生はみな陽気で、研究室学生との交流も共同実験も活発に取り組んでいました。このような姿は、本学の学生にとってもよい刺激になったものと思います。このような素晴らしい機会を与えていただきました「さくらサイエンスプログラム」には深く感謝いたします。