2018年度 活動レポート 第366号:京都光華女子大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第366号

世界をリードする日本の高齢者看護についての研修プログラム

京都光華女子大学国際交流センターからの報告

京都光華女子大学国際交流センターは、「さくらサイエンスプログラム」の採択事業として、2月12日~2月18日、中国河南大学より10名の研究者・学生らを招へいし、日中間の高齢者看護についての共同研究の深化を目的とした相互交流を行いました。

計画通りに2月12日の夕方に来日、滞在ホステルに到着し、早速ガストというレストランで夕食をともにしながらの一週間研修オリエンテーションを行いました。

翌日13日の午前は、本学の開校式及び歓迎会を行いました。国際交流センターのライトセンター長をはじめ、大学院清水看護学研究科長、茎津看護学科長、中平老年看護学領域長それぞれ歓迎の挨拶を述べました。

歓迎の挨拶を受けて河南大学の看護与健康学院の李瑞玲学部長より、感謝の言葉を述べていただきました。研修生全員も1人ずつ日本語の単語を挟み、英語や中国語で自己紹介をし、とても素敵な笑顔でご立派な感謝の言葉を述べていただきました。

その後、李学部長は、中国河南大学を代表して感謝の錦旗を贈呈してくださいました。

開講式にて

今回は高齢者看護についての相互交流を主な目的にしているため、開校式を終了した午後から、早速に本題に入りました。本学大学院看護学研究科の院生と教員を交えた両国間の事例に関する発表やディスカッションを行いました。本学の院生のうち、王天瑶さん、贾玉婷さん、李珂さんの3人は、中国の看護師でありながらも日本の看護師免許を取得し日本の病院で高齢者看護に携わっている経験があるため、ディスカッションに加えて活発な意見交換で、今後帰国してからの研究方針も討論しました。

14日は、医療教育機材開発メーカー「株式会社京都科学」における高齢者ケア援助や看護技術のシミュレーターモデルや模擬教材等の見学など、さまざまな体験を通して、日本の高齢者の特徴に応じた教材の開発や学生に理解しやすい理念に基づく教材の開発から学び、今後河南大学の教育のあり方のヒントを得たため、大変勉強になりました。

15日は、本学学生の看護実習の受け入れ先施設である京都認知症総合センターを訪問しました。このセンターは、地域の認知症患者の多様なニーズに応じて「特別養護老人ホームヴィラ鳳凰」「短期入所」「ケアハウスやまぶき」「デイサービスセンターヴィラ鳳凰」「京都認知症総合センタークリニック」「グループホームヴィラ鳳凰」といった様々な機能を果たす施設を開設しているため、認知症初期から看取りまでを一貫して見れることができます。認知症になっても住み慣れた地域で生活が継続できるよう、認知症の人や、家族に対し、状況に応じた適切な事業が提供できることが大きな特徴です。

これらの施設への訪問、見学など、さまざまな体験を通して、日本の病院や地域社会における高齢患者への看護理念や方法について研修しました。今後の教育や研究のあり方だけではなく、大学と地域の連携や貢献についても考えることができました。今回の学びを生かして、中国文化に適した高齢者看護が構築されることを期待しています。

せっかく日本の古都を訪問できたチャンスなので、京都の有名な茶菓子や着物等の日本文化体験もプログラムに入れ、世界遺産である平等院も見学しました。

研修生にとっては、非常に濃く・充実した7日間となりました。研修終了時点の満足度アンケートに対して、研修生全員から非常に満足したという答をいただきました。

全員が無事に帰国した後、河南大学の李看護学部長より届いたメッセージを記します。

「日本の国を感謝し、京都光華女子大学国際交流センターの招へいや皆様温かいお迎えのいろいろお心遣いを大変感謝し、たくさんのことを学びました。落ち着いてから研修報告書を書きますが、日本や京都光華女子大学の友情を必ず河南大学そして中国に持ち帰り、日中友好のことを大事にしていきたいです。」

最後に、このような貴重な機会を与えてくださった「さくらサイエンスプログラム」及びプログラムの実施に協力していただいた関係各位、京都科学、京都認知症総合センターの方々に改めて感謝申し上げます。