2018年度活動レポート(一般公募コース)第359号
被災地における防災/減災のための最先端科学技術を学ぶ日台交流プログラム
東北多文化アカデミーからの報告
10月21日(日)
成田経由で一行が仙台駅に着いたのは、すでに夕方6時を回っていました。朝3時に家を出たという南投高中のグループも元気いっぱいで、表情も明るく、ほっとしました。
10月22日(月)
朝9時半から、さっそく東北大学での研修が始まりました。この日は電気通信研究所の一日で、枝松教授の歓迎のあいさつの後、曾准教授の講義がありました。曾先生は、台湾人ではありますが、アメリカや中国、台湾などさまざまな国で研究を続けてこられて、講義の進め方も内容もとても興味深く、学生たちの眼も輝いて、一気に大学の授業に引き込まれたようでした。曾先生が開発したゲームなどをはさんで、午後の本間先生の情報セキュリティの講義まで、長い一日でした。しかし、学生は集中力を切らすことなく、講義後、どの先生にも食い下がり、取り囲むようにして質問する姿は、「知」に触れた喜びにあふれていました。
10月23日(火)・24日(水)
東北大学災害科学国際研究所とその後の巡検でした。災害科学国際研究所では、所長の今村先生による講義や、東日本大震災の津波の3D映像の視聴、翌日の巡検への準備などが行われました。同じく地震の被災地である南投からの学生が今回の参加者の半分を占めており、どの学生も真剣に取り組んでいました。
24日(水)は講師のアナワット先生の引率で、今は災害遺構となっている元仙台市立荒浜小学校、被害の大きかった閖上地域、岩沼地域を訪問しました。仙台市中心部とは異なる震災の爪痕の生々しい風景委に、学生は一様に驚いていました。
10月25日(木)
東北大学医学部での講義でした。虫明先生の脳の講義の後、午後は東北メディカルメガバンクで見学をし、その後スキルスラボで内視鏡や聴診器の使い方などについても模擬的に学ぶ体験をしました。全員が大変積極的に取り組んでいました。
講義のあとは、いよいよ仙台一高に移動して、ホームステイの家族との対面です。台湾の高校生が、一人もしくは二人で、仙台一高の学生の家に3泊することになっていますが、初対面からとても和やかな雰囲気で話をする様子が見受けられ、緊張しながらも、楽しそうにそれぞれの家族と一緒に帰っていく姿は本当にほほえましい様子でした。
10月26日(金)
SSHである仙台一高のイベントであるポスター発表会にも参加しました。招へい学生たちが、グループに分かれ、数か月をかけて準備された英語のポスターはとても質が高く、仙台一高の学生も真剣な表情で発表に聞き入っていました。学校を訪問中の大学の先生たちからもたくさんの質問が出ていて、実り多い発表になったようです。
10月27日(土)・10月28日(日)
仙台一高生と合同のサイエンスチャレンジゲームで盛り上がった後、それぞれのホームステイ家庭といっしょにすばらしい時間を過ごしたようです。28日の夕方、ホームステイの家族に送られてホテルに戻りましたが、なかなか別れがたいようにいつまでもそこにとどまっている様子が、本当に印象的でした。
10月29日(月)
朝に行われた振り返りは、英語でのチャレンジ、すばらしい科学技術に触れた喜びに溢れた印象深いコメントが多く、これからの彼らの成長と日本とのつながりを確信させられるものでした。日本での再会を約束して全員が成田空港から出発しました。