2018年度 活動レポート 第356号:神戸市看護大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第356号

アジアの高齢化社会に向けて地域住民と創る看護教育

神戸市看護大学からの報告

2018年12月11日(火)~19日(水)、「アジアの高齢化社会に向けて地域住民と創る看護教育」をテーマに、学術交流協定校であるダナン大学医学薬学部看護学科より教員3名、学生4名、引率者1名を招へいしました。ダナン大学一行は鈴木学長を表敬し、本学の教育体制について説明を聞いた後、1年生対象の「基礎看護技術演習(清拭)」を見学しました。また、学生自治会主催のクリスマス・パーティーに参加してベトナムの歌と踊りを披露し、本学学生との交流を深めました。

基礎看護技術演習で学生の清拭演習を真剣に見つめる一行

関係機関・施設見学、講義「在宅看護論」を通した両国の学びの交流

兵庫県看護協会では日本の看護師の現状や高齢者看護の取り組みについて、神戸訪問看護ステーションでは訪問看護の実際について、神戸医療センター中央市民病院の地域医療連携推進部では地域連携の在り方について、それぞれ説明を受けました。ベトナムの高齢化社会を見据えてダナン大学一行が質問をしました。

2年生対象の「在宅看護論」では、ダナン大学教員がダナンの高齢者看護を紹介し、片倉教授による日本の高齢者看護と合わせて共有されました。

訪問看護ステーションで話に聞き入る一行

本学の地域住民と創る看護教育の取り組み

本学の教育にご協力頂いている須磨区竜が台地区の民生委員のみなさまとの懇親会では、日本の介護保険制度や、地域や家族での介護や看取りなどについて、ダナン大学一行より質問があり、両国の文化や死生観の違いを学び合う機会となりました。さらに、一行は住民ボランティアの協力で実践的に学ぶコミュニケーション演習「看護学原論」にも参加しました。週末には西区春日台ふれあいまちづくり協議会主催の「年忘れもちつき会」に参加し、地域住民とのバザー、餅つき、ぜんざいの試食を通して、日本の文化に触れました。

竜が台の民生委員に介護や見取りについて質問する一行

震災復興支援の講義、人とみらい防災センター見学

「震災復興支援ボランティア」では、阪神・淡路大震災直後に池田教授が学生と共に行った被災住民への支援内容や、被災者を心身両面から支援することと震災の経験を風化させないことの重要性を学びました。「人と防災未来センター」では、阪神大震災を映像で疑似体験した後、震災後の復興の様子、体験者の語り、防災・減災の取り組みなどを展示で観覧しました。

阪神淡路大震災の実際を知り、防災減災を学ぶ一行

修了式

最終日、ダナン大学学生より学びの報告が行われ、続いて教職員とダナン大学海外看護学研修の参加学生を交えた和やかな修了式とランチパーティーが催されました。

ダナン大学一行は、高齢化社会を控えたベトナムにとって本研修での学びは大変興味深く、ベトナム看護教育の今後の取り組みに役立つことと、日本での進学や就職に一層関心が高まったことを、感想として述べていました。

ダナンに行った学生、これから行く学生とともに修了式

末筆ではございますが、今回訪問させていただきご対応いただいた病院機関・団体等の関係者の皆様をはじめ、地域ボランティアの皆様、ご支援いただいた「さくらサイエンスプログラム」に厚くお礼申し上げます。