2018年度 活動レポート 第345号:日本中国友好協会

2018年度活動レポート(一般公募コース)第345号

中国の若手研究者が日本の農業技術の研究の現状と展望を学ぶ

日本中国友好協会からの報告

中国河北省農林科学院の孫風国・対外合作処処長を団長とする中国河北省農林科学院研修訪日団一行11名がさくらサイエンスプログラムの一環として2019年2月25日~3月3日来日・来県しました。

一行は滞在中、県農政部や県農業試験場(果樹・農業・野菜花き)、信州大学農学部、JA長野中央会やJAながの、アグリ長沼、クリーンとよた㈱などを訪れ視察・研修しました。量を追い求める段階から質を追求する段階に入った中国農業の課題に沿って日本の農業技術研究の現状を研修することが主たる目的です。

 

2月26日

県農政部を訪れた一行は、草間康晴県農業政策課課長から温かい歓迎を受けました。続いて小林企画幹から長野県農業の紹介が行われました。午後には、須坂市の県果樹試験場で小松宏光場長らの歓迎を受けリンゴやブドウを中心とした栽培技術の紹介を受け熱心な質問が相次ぎました。矮化栽培や温暖化を見越しての2度温度を上げて栽培しているハウス等の圃場を参観しました。また県農業試験場では中島賢生場長らの歓迎を受け米の栽培育種などの講義を受けました。

夜の歓迎会では、春日十三男県日中農業交流委員会会長(JA長野中央会専務)や高波謙二県日中友好協会会長、伊藤洋人県農業技術課農政技監、日中友好協会等関係者から歓迎され有意義な交流のひと時をすごしました。孫団長は12年前、研修生を率いて来県したことがあり、2017年秋にもさくらサイエンスプログラムの一環で来県しており長野県とは大変なじみの深い方です。

 

2月27日

塩尻の県野菜花き試験場で視察研修しました。矢ケ崎和弘場長らの歓迎を受けた後、水耕栽培施設や紫外線照射など農薬をセイブして病害虫への耐性を高める研究がシクラメンやアリストロメリア等の花き栽培に活かされている圃場を見ながら、次々に質問が出され、担当者から熱心に説明していただきました。

2月28日

伊那の信州大学農学部を訪れ、終日、熱心に研修しました。藤田智之農学部長はじめ関係の先生方から歓迎を受けるとともに、農学部の圃場を視察参観した後、最先端研究の紹介をいただきました。信州大学農学部は昨年12月河北省農林科学院と学術交流協定を締結しており、今後とも指導者の派遣や短期留学生の受け入れなどが予定されているそうです。

 

JA長野中央会では、春日十三男専務や高松春洋中央会総務企画部長などから歓迎を受け、JAの理念仕組みと事業の紹介をしていただきました。午後はJAながのを訪問し、傘下のアグリ長沼などの施設等を視察しました。イチゴの施設栽培では責任者の熱心な説明に興味深く耳を傾けました。最後の視察先は中野市のクリーンとよた㈱でした。勝山剛頼社長や栗岩善昭氏らの歓迎を受けました。栗岩氏は昨秋、河北省に建設される雄安新区の白洋淀の葦の堆肥化技術の協力で現地を訪問して孫団長とともに効果の実験をした間柄で、熱心に説明案内してくれました。

 

河北省の農業技術の向上と普及の中心的役割を果たしている農林科学院の若手研究者が大勢来県されたことは長野県にとっても光栄なことで、行く先々で、関係者から熱い歓迎を受けました。孫団長の話では、河北省農林科学院には傘下に12の研究所があり、それぞれの研究所から選抜された若手研究者のポープとの事でした。熱心にメモを取り、質問する姿が印象に残りました。