2018年度 活動レポート 第338号:福井大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第338号

タイの高校生のための日本のものづくり技術に関する体験型研修

福井大学アドミッションセンターからの報告

2019年1月21日から1月28日まで福井大学アドミッションセンターはタイ・プリンセス・チュラポーン科学高等学校パトゥムターニー校から生徒10名、引率教員2名を招へいし、福井大学における日本のものづくり技術に関する体験型研修を行いました。

一行は1月21日に中部国際空港に到着後、貸切バスで福井に到着しました。22日にはオリエンテーションを行い、中田副学長を表敬訪問しました。そして、午後には福井大学における最先端のものづくり技術の一つとしてトライポロジー(摩擦・摩耗・潤滑)の実験を行いました。トライポロジーの実験に対する疑問等を担当教員や学生に積極的に質問し、実験への理解を深めました。

トライポロジー技術の体験実習

23日には、終日、超臨界技術による繊維染色の実験を行いました。午前に超臨界技術についての講義を行い、午後にはこの技術による繊維の染色を行いました。水を使わないで繊維を染色する経験は初めてで、この技術による染色がタイで実用化し始めていることを知り興味・関心を示していました。

超臨界技術による染色の体験実習

24日には、タイに進出している企業を訪問しました。午前には日華化学(株)、午後はセーレン(株)を訪問し、日本のものづくり技術がどのように製品化されているかについて、実践的な知識を修得する機会を得ました。日本のものづくり技術がタイのものづくり技術にいかに貢献しているかを理解しました。特に、日華化学(株)のイノベーションセンターを訪問した時には、先進技術産業は海外に頼っていることなど、タイが抱える課題について、タイが目指しているイノベーションの在り方と絡めながら考えるきっかけになったことと思います。

日華化学(株)イノベーションセンターを訪問

また夕方には大学に戻り「福井大学 留学生との交歓会」に参加して福井大学の留学生、特にタイからの留学生と交歓し、福井大学への留学に関心を高めました。

25日には、午前に半導体についての講義とダイオード、青色LED等の実験を行い、窒化物半導体について理解を深めました。午後には、声導模型を使った音声情報処理の実験を行いました。招へい者は日本の高校生ではまだ学習していない内容を既に修得しており、担当した教員や学生は招へい者の優秀さに驚きを示していました。

音声情報処理技術の体験実習

26日には、地元の高校:仁愛女子高等学校を訪問し、互いの科学技術に関して研究発表会(口頭発表およびポスター発表)を行いました。同世代の高校を訪問した際には、ハイレベルな招へい者との交流が日本の高校生にとって良い刺激となった様子でした。その後、茶室にて抹茶を体験し、日本の伝統文化に触れました。そして日本の高校生にタイの民族衣装を着てもらいました。このように科学技術を通して交流を図り、互いの友情を育みました。

27日には、福井を代表する文化施設:越前和紙の里を訪問し和紙すきを体験し、福井の文化に触れました。午後には修了式を行い、28日に無事帰国の途につきました。

日本の文化:和紙すきを体験

招へい者の中には福井大学への留学を希望する生徒がみられました。これまでタイの高校生が日本に留学したいという希望を持っても具体的にどのようなアクションをしたら良いか分からなかったようですが、本プランは優秀な生徒にとって貴重な機会を与えたことを成果と考えます。