2018年度活動レポート(一般公募コース)第318号
環境問題の改善に貢献する人材の育成
大阪府立大学 現代システム科学域
教授 興津 健二さんからの報告
2018年11月27日から12月5日の計9日間の日程で、ベトナム国家大学で環境科学を学ぶ大学生8名、大学院生2名と引率教員1名の計11名を大阪府立大学に招へいし、「環境問題の改善に貢献する人材の育成」プログラムを実施しました。
招へい者たちは、来日してすぐにオリエンテーションを受けた後、大学内の植物工場研究センターにて最新栽培技術等の講義を受けました。植物工場内での種まきの方法、農薬不要のクリーンな栽培方法や、LEDを利用する効率的な栽培方法などについて学びました。また辻理事長への表敬訪問を行い、交流と意見交換を行いました。
また環境共生科学課程に所属する5人の教員から講義を受けました。遠藤准教授の講義では、大きな紙に図を描き水資源保全に関する課題に取り組んでいました。藤田准教授からは生態資源利用に関する講義、黒田准教授からはメタン発酵システムに関する講義、竹中教授からはバイオディーゼル燃料に関する講義、興津からは水処理に関する講義を受けました。また、竹中教授が南極に調査に行かれた時の体験を紹介してもらいました。さらに、環境科学分野の研究室見学をしました。
大阪府立大学内で環境活動を行う学生団体であるエコロ助に学内・学外で実施している様々なエコ活動について紹介してもらいました。招へい者たちは、ゴミの分別について大変興味をもち、大学内での一般ゴミと資源ゴミの分別や、弁当容器の回収・分別、様々なエコ活動の取り組みについて学んでいました。
株式会社日吉では、企業での環境に対する取り組みや、ダイオキシン分析など各種分析機器等の視察を行いました。また、琵琶湖博物館にて琵琶湖の水質改善の取り組みを学習しました。大阪市立長居植物園と大阪市立自然史博物館の見学では、両国の植生と自然史の比較と考察を行いました。会社見学や研究室見学を通して、招へい者たちは座学では知っている各種実験装置を実際に見ることができて、将来、日本に留学したいというモチベーションが上がっているのを感じとれました。
また京都大学大学院の亀田貴之准教授の研究室に訪問し,日本とベトナムの環境汚染について情報交換を行いました。さらに市街地での交通渋滞による大気汚染に関して学びました。
大学関係者の皆さんの協力と、特に学生達の熱心な協力により、招へい者の皆さんは非常に有意義な日本での時間を過せたのではと思っています。ここに感謝の意を示します。