2018年度活動レポート(一般公募コース)第310号
和歌山の最先端医療技術体験と和薬の源流を学ぶ日韓研究交流
和歌山県立医科大学からの報告
和歌山県立医科大学(和医大・医学部)は、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2019年1月23日~29日までの7日間、韓国「科学技術聯合大学院大学」と「慶熙大学(薬学部)」において、薬品分析化学の研究を実施している、学生・大学院生(計5名)と教員(1名, Ji-Seon Jeong教授)を招へいしました。
和歌山県立医科大学(和医大)・医学部、付属病院、和歌山県工業技術センターで先端医療技術の現場を見学・交流し、さらに剤盛堂薬品株式会社、大日本除虫菊株式会社(KINCHO)で、漢方・生薬の生産・品質管理・安全性への取り組みや、蚊取り線香の製造過程を学びました。和医大の学生とは、化学実習見学、一年生とのプレゼン交流、茶道部主催の茶会への参加、予防医学サークルとの学術交流を行いました。
ソウル仁川国際空港から関西国際空港に到着後、2日目から主なスケジュールが始まりました。まず和歌山県工業技術センターでは四元弘毅所長による概要説明と薬事産業部での、和歌山県の地域資源(テンダイウヤクや高野槙等)を活用するための研究開発の説明を伺いました。
剤盛堂薬品株式会社では、「常に相手の立場を尊重し、相手の立場に立って考える」基本理念に沿った製品開発、自然治癒力を生かす漢方のパワーについて学びました。午後には、和医大に場所を移し、薬剤部・高度救命救急センター・ドクターヘリコプター等の見学を実施し、和歌山県全体の救急診療・地域医療の一端を理解して頂きました。
3日目は、蚊取り線香の故郷である、大日本除虫菊株式会社紀州工場を訪問し、蚊取り線香の製造現場を直に体験しました。午後には和医大に戻り、医学部一年生とのプレゼン交流会や化学実習に参加し、タンパク質構造解析ソフトの講習等に参加されました。
4日目は降雪の中、和歌山が生んだ医聖・華岡青洲の偉業を伝承するために作られた、青洲の里(華岡青洲顕彰記念公園)を訪問しました。午後には約1300年前に役行者が作った胃腸薬で、和薬の元祖として知られている、陀羅尼助丸の製造現場を拝見し、桜の名所である吉野山の日本式旅館で鬼フェス(節分関連行事)に参加しました。
5日目は和医大に戻り、茶道部主催の茶会、予防医学サークルとの研究交流会に参加しました。和歌山県かつらぎ町の健康診断における、予防医学サークルの活動報告等について議論を交わしました。
6日目は、医学部・人体病理教室での病理診断の現場を体験され、病理診断の厳しさの一端を経験されました。午後には国際交流センター主催の交流会に参加後、村垣泰光・医学部長からさくら修了証と記念品の授与をして頂きました。7日目早朝には、関西国際空港に移動され、午後一番の便で韓国に帰国されました。